インモラル・セラピー-4
「もっとリラックスして、身を任せてください」
「は、はい、でも……」
「大丈夫ですよ。一緒に美しいバストラインを作っていきましょう」
榊の手は胸の外側から少しずつ位置を変え、いつしかアイリの胸全体を覆うようになっていた。
(胸……完全に触られちゃってる……)
「ホルモンの分泌を促すため、少し刺激を与えます」
紙ブラの上から、不意に榊の指先が両胸の先端をキュッと摘んだ。アイリはぴくりと肩を震わせる。
「あんっ……!」
乳首が二本の指で何度も繰り返し摘まれる。キュッキュッ、キュッキュッとリズミカルに刺激され、アイリの乳首はあっという間に硬く尖ってしまった。
「やぁっ……あっ、あっ……!」
(何これ……こんなマッサージ聞いたことない……!)
「血液の巡りを良くするためにカッピングをします。ブラを少しずらしますね」
「えっ、待っ……」
紙ブラが胸元までずり上げられ、アイリの胸はあっさりとあらわにされてしまった。
(胸、見られちゃう……だめぇ……)
「カッピングセラピーは吸い玉療法とも言って、伝統的な東洋の美容法の一つなんです」
乳首に何かが吸い付いたのが分かった。生温かく濡れているそれは硬くなった乳首を吸い上げ、時々チュパッと音を立てた。
「んふぅ……っ」
つい漏れてしまう声をアイリは必死で押し殺す。
(何をされてるの……?!)
見えない分研ぎ澄まされた聴覚と触覚で、アイリは何が起きているのかを必死に感じ取ろうとする。その時その『何か』がぬるりと蠢き、ぷっくりと充血しきったアイリの乳首に絡み付いた。
(これって、もしかして舌……!?)
「あっ……! やっ……んんっ! 榊さ……っ」
榊の返事はない。ただ乳首が柔らかく挟まれ、先端をチロチロとくすぐられ、クニクニと転がされる。
「榊さん、ダメです……あんっ! やめてください……っ! んふぅっ……!」
全身が熱くて熱くてたまらない。それに、いつもよりも敏感になっているような気がするのはなぜなのだろうか。
「お願い……もうやめ……あぁんっ……やあっ……!」
ぎゅっと寄せられた両胸の先端を榊の口が交互に刺激してくる。吸い付き、転がし、甘噛みをする。そのたびに甘い快感が乳首から身体の真ん中へ走り抜けていく。
榊がようやく口を離した頃には、アイリはびっしょりと汗をかいていた。
「しっかり汗が出てますね。もっと代謝を上げていきましょう」
「はぁっ……はぁっ……」
アイリには答える力すらもう残っていない。ただただ息を整えようとするだけだ。
「そのまま楽にしていてください」
榊は施術台を静かに降りると小さな紙ショーツに手をかけた。
「待って、榊さん……ダメです……!」
さんざん性感を高められたのだ。アイリの股間はとろけたように濡らされ、淫らな匂いを放っているに違いない。
「リラックスしてください。施術しやすいようにもう少し脚を開かせていただきますね」
紙ショーツがずり下ろされ、両膝がぐっと拡げられる。施術台の外に両脚を投げ出す格好だ。こんなにもはしたなくて恥ずかしい姿は今まで誰にも見せたことがない。
「だめ……恥ずかしいです……!」
「しばらく我慢してください。見えないと施術できませんから」
榊の声はアイリの正面、脚の方向から聞こえている。大きく開かれたそこをまさに今見つめられているかもしれない。アイリはあまりの恥ずかしさに蒸しタオルごと両手で顔を覆う。タオルはすっかり冷めてしまっているが、こんな状況で今更もう外せるわけもなかった。
「ハーブティーの効果がしっかり出ているようですね。こちらもびっしょり汗をかいてます。いいですよ、全部だしてしまいましょう。まずはカッピングから」
(カッピングって……だってさっきのあれは、榊さんの)
アイリの柔らかな陰唇が指で優しく押し開かれて、榊はそこに顔をうずめて吸い付く。その舌は溢れた愛液を絡め取るようにねっとりと動き回り、ピチャピチャと卑猥な音をさせた。
「あっ……あっ、やぁっ……榊さんっ……やめてぇ……!」
「大丈夫、任せてください。凝っているところをほぐしていきますよ」
榊の舌が敏感な突起を捕えそのままチュウっと吸い上げると、アイリの腰はガクガクと上下に激しく揺れた。
「ひぃんっ! だめぇっ! あっ! あんっ……!」
「かなり凝っているようなので、ここは柔らかくなるまでしっかりとマッサージします」
硬く勃起してしまったクリトリスの皮が剥かれ、敏感な芯を榊の舌先が直に撫でる。上下に震え、円を描き、転がされる。電流のような鋭利な快感が絶えず送り込まれ、今にも弾けてしまいそうだ。
「あっ、あっ、あっ! だめっ! いやぁっ!」
「もう少しでほぐれそうですね。少し強めに刺激しますよ」
剥き出しのクリトリスをジュルルッと音を鳴らして吸われた瞬間に、アイリは身体が宙に浮くような錯覚に襲われた。そして――
「あひぃっ! あっ! あんっ! あああああああっっっ!!!!」
アイリは感電したようにビクンビクンと痙攣しながら絶頂に達したのだった。