最初の悪夢-5
去った直後は何がしたいのかわからない美里だったが、すぐにその意味を理解した。
手に取ろうと動かした腕で服が乳首に擦れ、強い快感をもたらす。おかしさに状態パネルを開くと、媚薬効果が追加されていた。恐らく先程のクリームがそれだったのだろう。
さらに、薄いセーラー服では勃起乳首が丸見えであり、クリームのせいでそこだけ僅かに濡れそのものも見えていた。すれ違う人にバレないかドキドキしながら品物を選ぶ。
高い棚故か、立てかけられたカーブミラーに見る美里はとてもエロティックだった。上気した頬にツンと勃った乳首、歩けば下着の見えるスカートに、潤んだ瞳。本当に自分なのか信じ難いほど、以前の美里からはかけ離れていた。
そうこうしているうちに選び終わり、最大の難関であるレジへ向かう。心臓がうるさく鳴り響いていた。
「こ、これ…お願いしま、ぁ…っ、お願いします」
カゴを持ち上げた刺激で声が上擦る。明らかに不信そうにしている若い店員は、カゴを受け取ろうとして目線が一点に固定された。
明らかに──露骨なほど、ソコを見ていた。美里は唇を噛み、顔を逸らすしかない。
「…お客さん、これ不良品っすわ。裏に在庫あるんで取ってきますよ。ついでに同じものか確認してもらいたいんで着いてきて貰えますか?」
嘘だ。美里は緩慢に動くしかなかったため、商品の吟味には時間を割くことが出来た。その時間が、この店員は嘘をついていると証明している。
ピコン、と電子音と共に既に選ばれた選択肢が視界に入った。ゲームのものと同じだ。そこには選ばれた選択肢としてハイライトされた、「バックヤードで犯される」の選択肢が煌々と輝いていた。その文字を見た瞬間から美里は昨夜と同じ逆らえない状態に入り、店員の促すままバックヤードへと歩みを進めた。
案内されたそこにはPCが一台と、うずたかく積まれたダンボールの山しかなかった。広い割には積みすぎで薄暗い部屋である。
「お客さん…アンタ誘ってたんだろ…? あんなに乳首ビンビンにしてさ…」
「やぁ、んぅっ! ぁん!」
乱暴にぐにぐにと服の上から捏ねられ、腰をくねらせてしまう。セーラー服のザラザラとした感触が刺激を強め、じゅわと秘部が濡れる感覚がした。
ゆさゆさと揺らされながら転がされ、喘ぎ声を抑えきれなくなってくる。開いた口に舌を突っ込む店員にいいようにされながら耐えていると、先程の中年店員──田中がダンボールの影からやってきた。
「やってんなぁ〜? 混ぜろよっ、オイ!」
正面に回り込んでしゃがみ込んだ中年店員に嫌な予感がした美里は足を閉じるが、寸前で身体を挟み込まれ閉じることができなくなってしまう。いつの間にか離された乳首は未だジンジンと淡い快感を美里に与え続け、手首を押さえている青年店員──山本は舌を弄び続ける。
「メスの臭いプンプンさせやがって…淫乱女が…」
「や、違うのぉ…! インランじゃないっ、あんっ!」
下着の中へ手を突っ込んだ田中は、中指を膣に浅く埋めては離しを繰り返す。愛液をたっぷり指に纏った田中は、太い指先で美里のクリトリスを揉みはじめる。
「いやっ、あっ! あっ、あああ!」
直截的な快感に舌を自ら離し、嬌声を上げる美里。ビクビクと腰が大きく跳ねる。
「勝手にやめないでくださいよお客さん」
すぐに顎を掴まれ向きを戻された美里の口を山本の舌が荒らす。次第にきゅんきゅんと腹の奥が疼く感覚を自覚した美里は自身の状態を思い出しぽろぽろと涙を流す。
「んっんっんっ、んん…んんんん!!」
ガクガクとガニ股の膝を痙攣させながら遂に果てた美里を見た店員二人は、アイコンタクトをして示し合わせたように手を離す。ずるりとくずおれた美里は絶頂の余韻を逃がすのに精一杯で、逃げることもできなかった。
男達はズボンのチャックからボロンとペニスを取り出すと、先程美里に塗ったクリームを大量にそれへ塗りこんだ。特殊な成分が女性にだけ作用する代物で、容赦なく使い切る勢いで全体へ塗す。
「〜〜〜っ! うごっ…んぐ、ぉご…」
だらしなく開いていた小さな口に、怒張をねじ込む。そのまま口内へ塗り込むように、美里の頭を掴んで前後へ揺する。気遣いのないイラマチオに喉を犯されながら、確かに美里はそれで感じ始めていた。
「これ、マジで使えるんすかね」
「グダグダ言ってねえではやくしろ、今こうしてんのが証拠だろ」
興奮気味にスマートフォンを取り出した山本は、何度か画面をタップすると顔だけ通用口から覗かせて何事かを叫ぶ。
一瞬それに気を取られた美里だが、すぐに塗り替えられた思考に自ら驚く。
「んぉ゛、お゛、」
手を離され、田中は何もしていないにも関わらず、自ら頭を振ってフェラを続けているのだ。"突然現れた自分の意思"で。
「ん゛、ん゛〜」
ずろろろ、と根元から口を窄めて下品にしゃぶる。制御出来ない自分の思考と動きに美里は泣きたかったが、涙を流すことまできなかった。
「お゛っ…チンポ…チンポしゅきぃっ、んぉ゛っ…おいひいっ…」
思ってもいない言葉が口をつく。臭いペニスを舐めながらそんなことを繰り返していると、聞き覚えのある女性の声と共に扉の開く音がした。