女らしく【06】『姉と弟とオレ?』-4
「ふふふっ♪」
撫子さんは答えず、意味深な笑みを浮かべるだけだった。
「おっと…大和が帰ってきた!」
「ほら、姉貴はコーラ。マコトはコーヒーで良かったか?」
ありがとう。
「じゃあ、私はまたジェットコースターに行って来るからねぇ〜♪」
コーラを片手に意気揚々とジェットコースターに向かって行く。
元気だな撫子さん。
「ふぅ…疲れた………」
撫子さんがいなくなった途端、さらにぐったりとする大和。
…お疲れ様。
「やばいな…俺生きて帰れるかな…」
「ちょっと寝たらどうだ?」
「そうだな…ちょっとだけ……」
その時、あることが脳裏をよぎった。
「あ、あのさ大和。良かったら…オレの膝にさ…頭置いていいから……」
前に見たドラマで、恋人同士がそうやって愛を語り合っていたのを思い出した。
「だ、大丈夫だ!」
「いいから!ほら、遠慮すんなって!」
半ば強引に大和を自分の膝の上に寝かす。
「…なんか…恥ずかしいな……」
「なあ…大和……昨日はごめんな…オレ…撫子さんのこと彼女と勘違いして……それで、もしかしたらパートナー解消されるんじゃないかって不安になって……」
やばっ…涙が……
しかし、大和はゆっくりと穏やかに告げる。
「安心して。俺は、マコトの側にずっといる」
えっ…
「いや…その…出来ればの話。マコトに彼氏が出来たら仕事のときだけでいいから…」
大和…
…オレは大和以外と付き合う気は無いよ…
「大和…オレってやっぱり女らしくないのかな……」
ずっと前から、心の奥に居座り続けていた思い。
「そんなこと無いと思うぞ…マコトは口調を除けばちゃんと女だよ…」
言ってくれるじゃん…
「大和…大和は、お淑やかな女性の方が好きか?」
撫子さんからは、元気な娘がタイプって聞いたけど、どうしても自分で確かめてみたかった。