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コシュカの二都物語
【ハーレム 官能小説】

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特需-1

ウクライナは1991年の独立以降、旧ソ連から引き継いだ膨大な軍事資産の売却を進めていた。そして、2001年9月11日の米国中枢同時多発テロ事件後に起きたアフガニスタンのタリバン討伐戦や、2003年3月以降アメリカ主導の有志連合がフセイン政権打倒のために起こしたイラク戦争を受けて、中東や中央アジア諸国の政情が不安定化し、兵器需要が高まる中、キエフは、MiG 29やSu 27などの中古の旧ソ連製の高性能戦闘機やパーツ、空母ヴァリヤーグなど大型海軍艦艇から、T80戦車、対戦車ロケット砲、対人兵装のライフル、自動小銃に至るまであらゆる類の兵器を扱う国際的な武器取引の一大中心地になっていた。そして、旧東独の装備品の売却処分を急ピッチで進めていたドイツのベルリンと並んで、各国の軍関係者や死の商人が集まり、軍需物資関係では特需が生まれていた。

そこで、俺は、中東系の軍需物資を扱うビジネスマンに目をつけて、再びジャックポットをヒットした。

特に、サウジやアブダビのビジネスマンは、金離れがよい太い客が多く、複数プレイのため、若いウクライナ娘を3〜4人まとめてオールナイトでOut Call(ホテルに連れ出し)オーダーしてくれることもあった。プレイ代は女の子1人につき1200ドルだったが、全額前払いでキャッシュで支払い、また紳士的で、プレイ後にはチップをはずんでくれると女の子たちはニコニコしていた。さらに、送迎の運転手兼ボディーガードのマフィヤの若衆にまで、チップをくれた。

そこで、キエフ外国語大のアラビア語専攻の学生を雇い、ウェブサイトのアラビア語ページを充実させるとともに、ピーチェルの時と同様に「地下営業」の高級サロンを別の場所に用意した。だが、今回はアラブの上客専用のサロンにした。

イラン製のシーシャ(水タバコ)を取り寄せて各部屋に設置し、アラブ人好み(だろうと俺が考えた)のアラベスク模様の内装を施し、レバノンやエジプトのポップソングのミュージックビデオを常時、フィリップ社製の新型フラットスクリーンで、再生した。

概ね、アラブのビジネスマンからは好評だったが、意外なことに、ビールやワインなどのアルコール飲料を求められることが多かった。たとえイスラム教徒であっても、女を抱く時くらいは戒律を忘れて、思う存分に羽を伸ばして悪徳に浸りたいのだろう。そこで、各部屋に冷蔵庫を設置し、ミネラルウォーターやRed Bullなどのソフトドリンクに加えて、イタリアやフランス産のワインやチェコ製のビールを常備し、無料で提供して、上客から大変喜ばれた。

クチコミで、俺の店の評判が広まり、客がさらに増えたため、サロンをもう一つ出店することに決めた。そこで、ピーチェルの2つの店の運営はしばらく、ロシア人の支配人に任せ、Таня(ターニャ)、Рената(レナータ)、Наташа(ナターシャ)もキエフに呼び寄せて、俺の手伝いをさせることにした、


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