Farewel l-28
――――――――プチ・・・プチプチ・・・
――――――――スル、シュルシュル・・・
彼と視線を合わせることなく、先程の自分同様相手の衣服のボタンを外し、腰ひもを緩めていく。
教授はただ為すがままの状態になっている。
彼が白いブリーフと靴下だけの状態になり裸体を外気に曝した。
2人は無言のまま互いの瞳の色を見極めるかのように見つめ合う。
教授の瞳はまだ“哀しみの色”だったものの、明らかに動揺による波がたっていた。
「・・・・・セリス様」
「はい・・・・・・」
「何故ここまで、私のようなものに・・・・・ただエドガーの、師であっただけの者に」
教授の問いかけに、セリス様の口許にこの日初めてとなる笑みがこぼれた。
「貴方に前に進んでほしい、私は過去に囚われた経験があるから・・・それがどんなに辛いか知っています。
こんなに辛い想いを続けて、クリステール様もきっと、そんなことを望まれてない。だから私が代わりに・・・できることを」
「セリス様・・・・・」
「ああ・・・・・・」
ここで漸く教授も意を決したように、
向かい合うセリスに対して自ら一歩踏み出し距離を詰める。
それを合図かのように2人は互いに相手の首元に両腕を回し、全身を密着させる。
互いの唇と吐息が重なり、
セリスの舌が男のそれに絡めとられた。
「ん・・・・・んん・・・・」
「ぁ・・・・・ンッ・・・・」
互いの下腹部が密着した時、
セリスは自らのショーツの生地越しに
年を感じさせない固さと熱を感じ、
ショーツの下の金の茂みが潤み始めたのが分かった。
それは長い間女性に向けられてこなかった“男の欲望”が熱を伴って凝縮し、
今目の前のセリスに対して向けられている証。
それは言葉以上に雄弁だった。
――――――――重なりあった唇の隙間から感極まった互いの吐息が漏れ、セリスは思わず喘いだ。
そのまま男の腕の力に身を任せ、
導かれるようにゆっくりと草の上に横たえられていく。
背中全体に夏の匂いを漂わせた草の硬い感触を感じた。