Farewel l-27
――――――ザク、ザク、ザク・・・・・
――――――歩き始めて約20分、
いつしか2人は街の中心部を離れ、郊外に広がる雑木林の中、周りから視認できない草むらの一角まで来ていた。
太陽は西に傾きつつある中、
真上に覆い被さる緑の木々が太陽光を遮り、辺りは光と影のコントラストが描かれた2人だけの空間になっていた。そこだけが草丈が足首までで一見しただけでも開けているのが分かる。
無言のままここまでセリスについてきた教授と向かい合う形でセリスは立っている、。
ここまでの道のりと暑さの為か、互いにやや汗ばみ肌はほんのり赤く染まっている。
「これから新たな歩みを始められることに・・・・・」
「セリス様・・・・・?」
「・・・・・私から“餞別”をお渡ししたくて、ここまで来ていただきました」
「・・・・餞別・・・・・」
「今回は・・・・受け取っていただけますね?」
そう言うと、セリスは手にしていた愛剣を傍らの木の根元に立て掛けると、
無言のまま自らの衣服の襟元に手をかける。
―――――――――プチ、プチブチ、ブチ・・・・
―――――――――スル・・・・シュル、スッ
―――――――――バサッ、トサッ・・・・
セリスは目を閉じることも視線を反らせることもなくボタンを1つ1つ音をたてながら外し、首からスッポリとシャツを脱ぐ。
支えを失い自らの足元に落ちていく衣服や装飾品が肌をずり落ちていく感触を確かめていた。
波打つ金髪を肩まで垂らし、
胸元には小麦色のブラジャー、
下腹部には同じく小麦色のショーツのみのセリスが素足のまま草の中に立つ。
手を伸ばせば届く距離まで近づくセリスと、
状況に驚きつつ戸惑いを隠せない教授。
セリスは無言のまま、目の前の男の衣類に触れる。