キミハ、ココマデ-7
日をまたいで。
「……」
くすんだ顔色に落ち窪んだ両目。見るからに憔悴しきった浩矢が、ほとんど無意識の動作でSNSを開いた。
「ぁ……」
画像が何枚も、たて続けにアップされている。やはり、志保からのコメントは一言もない。
「……」
引きずり込まれるように、浩矢が中身を確認する。
「!」
ほぼ完徹状態ですっかりぼやけていた頭が、いっぺんに覚醒した。
「何だよ、これ……」
それは、浩矢がまだ一度も目にしたことのない志保の姿だった。
ストリップのように一枚ずつ服を脱がされていく様子。
即席で妖艶ポーズを付けた感じの下着姿。
様々な角度からの――全裸写真。
最愛の彼女のあられもない痴態が、次から次へと浩矢の目に飛び込んでくる。
そして、さらなる一枚。
「うっ……」
決定的だった。
それは、騎乗位で挿入される志保を下から撮影したショット。ややピントがぶれているのが逆にその場の生々しい空気を正確に伝えている。
そして他にも体位の違う、いわゆるハメ撮りの写真が数点並んでいた。
「なっ……」
浩矢は慌てて画像の細かいデータを調べ始める。
結果、それらの写真は自分が狂気にとりつかれたように電話をかけ続けていた、まさにその時間帯に撮影されたものと判明した。
「そん、な……」
浩矢の肩が、がっくりと落ちる。
「そんな……!」
睡眠不足と精神の消耗が一気に重なり意識が朦朧とする中、それでも写真を見返し、隅から隅まで念入りに調べ直した。
イタズラではないか。
他人の空似ということだって有り得る。
いや、そもそもこれは夢だ。自分は悪い夢を見ているに違いない。
上から下から、そして前から後ろから。あらゆる角度で突きまくられる志保の姿を、浩矢は脳味噌をぐつぐつ沸き立たせながら食い入るように見つめ続けた。
そして、最後の一枚を見終わった、その瞬間。
「!」
SNSに、着信があった。