田中家(1998年頃のいつか)-5
「浩平も早くいい相手を見つけてセックスできるといいわね。」
香織はテレビ画面に飛び散った精液を拭き取っていた。
見るからに濃い大量の精液から発せられる匂いで、
香織はくらくらしていた。
「ねえ、やっぱりセックスはイイものなの?」
ペニスをティッシュで綺麗にしながら浩平が尋ねた。
「ええ、そうよ。
オナニーとは比較にならないわ。」
「そっか・・・。
お父さん、早く帰って来るといいね。」
「まあ、浩平ったら。
でも、ホント。
早く帰って来て欲しいわ。」
香織は本心でそう思った。
『そうじゃないと、あなたを食べてしまいそうなんだもの。』
そう言いたいのを香織はぐっとこらえた。