おんぶ(1998年頃のいつか)-2
浩次は片足を引きずりながら、絵美に付き添われてプールの外まで来た。
「大変そうね。おんぶしてあげよっか。」
二人は幼稚園からの幼なじみ。絵美は軽い気持ちでそう言った。
「ありがとう。
でも、いいよ。平気。」
照れもあって浩次は断った。
「いいから、いいから。
こう見えても、力はあるんだから。」
絵美は浩次に背中を向けてかがみ込んだ。
絵美の水着は競泳用の紺色のワンピース。
水の抵抗を減らすためか背中が大きく開いている。
そこから色白の綺麗な肌が覗いていた。
「さ、早く。」
絵美が振り返って微笑む。
浩次は気恥ずかしさを感じたが、
結局、絵美の背中に静かにおぶさった。