美代ちゃん(1998年頃のいつか)-7
会話が一通り済んだ頃、玄関が開く音がした。
誰かが帰ってきたらしい。
「家に帰って、すぐにやってみる。」
健太は立ち上がった。
美代もつられて立ち上がると、
健太の鼻先まで顔を近づけて、声を小さくして健太に話しかけた。
「ねえ、健太、本当にやるの?」
「やるよ。どうして?」
健太の声も小さくなる。
「だって、
健太がそういうことをやるのって、
何か・・・ヘン。」
「そうかな。
でも、やってみる。」
「そう・・・。
無理しないでね。」
「無理なんかしないよ。でも、ありがとう。」
「どうなったか明日教えてね。
あたしも知りたいから。」
「うん、分かった。」