女らしく【04】『真夏と納涼と怪談』-4
「…なかなか…凝った話だな」
大和が呟く。
?
「マコト…分からないって顔をしてますわね」
???
「よく考えてみなさい。まず始めの人が二番目の人を起こして、その人のベットで寝ますでしょ?」
コクリ…
「で、ニ番目の人も同じ様に…そして三番目の人も…ここまではいいですの?」
ああ。別に変わらないじゃないか?
「問題は最後の人ですわ。最後の人が最初の人のベットに行く…けれど…そこには…」
!!!
…………誰もいない…じゃあ…この方法は……
「そう…四人じゃ成り立たないんだよ。これはつまり、五人目がいたんだ。見えない五人目が……」
奏の言葉の後を引き継いだ大和が答える。
途端に背筋がゾクゾクとしだした…
改めて考えると不気味だ…
「では、これで終わりにしまショウカ!皆サン、少しは涼しくなりマシタカ?」
や、やっと終わった……
と思ったら…
「そういえば…この学園にも不思議な噂がありますよ」
詩乃!
もういいよ〜!オレ…怪談話が苦手だって認めるから〜。
「も、もういいじゃないか詩乃…やめようぜ……」
「その噂というのはですね…」
「聞けぇええ!!」
無視か!オレに対する嫌がらせか!
「だって、怖がるお姉様って可愛いから♪」
お前に言われてもうれしくねぇよ!
「どんな噂ですの?」
奏まで!
「いいじゃないですのマコト。もう少しそうしていられますわよ」
そういやぁ、話を聞いていれば、もう少し大和にくっついていられるんだ…
なら、いいかな…
「じゃあ話します!この学園を経営している人は知ってますよね?」
「ああ。『前園 魅貴』学園長と『後藤 魁』教頭だろ?」
大和が答える。
この二人は若くして学園長と教頭になったことからほとんどの奴等が知っている。
「ですが…この学園には何故か理事長室があるんですよね」
そう、この学園には何故か理事長室が存在する。
だけど、学園側の説明だと昔は理事長だったのが今は学園長と名前を変えたって話だぞ?