女らしく【04】『真夏と納涼と怪談』-3
内容は諸事情により省かせてもらうが…簡単に纏めるとあるホテルに泊まった人が夜中に壁からカリカリと音がするのを聞いた。
だが、隣りは空き部屋。
そのまま震えながら朝を迎え、ホテルの従業員に話を聞いたところ…
やはり、その部屋では心臓発作でもがきながら亡くなった人がいたという話だった…
まあ…怖いか怖くないかで言えば……
もちろん、怖えよ!!
さっきから、何だか背後は気になるし、変な汗は出てくるし…やっぱり、怪談に出てくる幽霊と本物の幽霊は別物だよ!!
「次は大和…」
「えっと…じゃあ、これは…」
「…おい、マコト大丈夫か?」
はっ!オレは一体?
確か、大和の病院の話を聞いていて……
ヤバい、そこからの記憶が無い……
「大丈夫か?無理すんなよ。ほら、次で最後だから」
いつの間にか、大和だけでなく奏の話も済んでいた様だ…
内容は……ただ怖かった…
晴樹も耳に手を当てて倒れている。
「や、大和…手…握らせて…」
これ以上はダメだ…大和の手でも握らないとまた気絶しちまう…
「ヤバくなったら、言えよ?」
「あ、ああ…」
もう、手を握るというより、大和にしがみつくというような状態だ。
何だか別の意味でドキドキしてきた…
……押し倒しちゃおうかな…
「じゃあ、最後は我輩デスネ♪…昔、ある四人の登山グループがイマシタ…」
博士は続ける…
「その四人は、冬の山に登り遭難してしまいマシタ。
数時間、山を彷徨い、何とか小さな小屋を見つけることが出来たのデスガ、その小屋には四隅にベットが四つ付いていて、凍死を防ぐため、交替で起きることになりマシタ。
そこで20分ごとに起きている人が次の人を起こし、その起こした人のベットで眠るという方法になったのデス…」
ゴクリッ……
誰かが唾を飲んだ…
「それで…どうなったんだ?」
「翌朝、無事に四人は下山出来マシタトサ♪」
ズルッ…
ホラーじゃないじゃん…
だが…