最後の夏休み-1
当時の日本はバブルの真っ盛りだった。株価や地価は暴騰し、日本を売ればアメリカが3つ買えると言われるくらいジャパン・マネーは世界中を席巻していた。ソニーや三菱地所が、その当時アメリカの象徴だったハリウッドのコロンビアピクチャーズやニューヨークのロックフェラービルをそれぞれ買収したりするなど、日本人は世界中でブイブイ言わせていた。そんな時代の勢いもあってか、俺は南カリフォルニアに行くことに不安や躊躇いはなかった。
牛乳やカルシウムのサプリを毎日飲んだせいか、あれほど低かった俺の身長も雨後のタケノコのように伸びだし、中学入学から中2の1学期までの間に、18センチ増加して165cmくらいになった。俺は、アメリカの同世代のやつらに舐められたくなくて、渡米までの2か月の間に身体を鍛えようと、ジムに通って筋トレを始めた。また、日曜には護身術として、合気道を習い出した。
中学が夏休みに入ると、俺は聡子のアパートに入り浸って、聡子に英語を教えてもらったり、セックスしたりして過ごした。聡子は、その夏は院試の準備でバイトもせずにずっと家にいた。
「コウ、お前がいなくなるとホントに寂しくなるね。日本にいる間は、思いっきりわたしに甘えていいよ。」と言って、ベッドに腰掛けて英単語を覚えようとしている俺の目の前で、聡子は服を脱ぎ、俺のズボンとパンツを引きずり下ろして、『集中力を鍛えるトレーニング』と称して俺の逸物にねっとりしたフェラチオをしたり、パイズリをしたりした。単に自分のストレス解消と、俺の邪魔をしているだけとしか思えなかったが、俺は聡子の好きにさせておいた。そして、俺は快感のうねりが頂点に達すると、聡子に遠慮なく顔射したり、パイ射した。
「もう〜、イクときは、あらかじめ言えって言っただろ。髪にまで精子飛んで、ベトベト〜。これから、ちょっと出掛けるのにぃ。」
「別に誰も、聡姐のことジロジロ見てないから、平気だよ。」
「はぁ〜?ちょっと、わたしに対する扱いひどくない?」
そんな聡子のとの間にたわいもないやりとりに、俺は心の傷が癒され、華恋を失った辛さが少しずつ和らぐような気がした。聡子が急に愛しく思えてきて、背後からギュっと彼女を抱きしめ、そのまま、立ちバックで激しく交わった。
「コウ、あのね。わたし、8月20日に院試が終わるの。お前、アメリカに発つの1週間後の8月27日だったよね。8月25日の土曜日、予定空けといて。」