侵入者-3
「ん……んんっ……!」
「恥ずかしがらなくてもいいんだよ……」
首を横に振るリナを見て薄笑いを浮かべ、男は指を使い始めた。太い指先が円を描きながら、何度も何度も乳輪をなぞる。
「んーっ! んーっ!」
身体を捩りながら呻くリナの姿に、悦んでいるとでも思ったのだろうか。男は親指と中指を使って乳首をコリコリと捏ねるように転がし、リナはビクッと震える。
「んんっ!!」
人差し指の腹で乳首の先端を優しく擦り、爪の先でカリカリと引っ掻き、男の指は執拗に動き続ける。そのたびに、嫌悪感とともにゾクゾクとした感覚がリナを襲う。
「あ、乳首硬くなってきた……リナちゃん感じてるの……?」
男は嬉しそうに笑った。
(そんなことない! こんなの感じるわけない……!)
見知らぬ男に辱めを受けて快感を覚えるなど、絶対にあってはならないことだ。リナは男を睨みつけ、気丈に振る舞おうとした。だが、執拗な愛撫を受け続けた乳首は既に硬く尖り、ピンと上を向いてしまっている。頭の中では拒んでいるのに、男の指先が動くたびに肉体は勝手な反応を見せてしまうのだ。
「リナちゃんは乳首を虐められるのが好きなんだね……」
興奮した表情で言うと、男はリナの胸に覆い被さってきた。はぁはぁとせわしない男の息遣いを素肌に感じて、リナは固く目を閉じ顔を背ける。
男がツンと尖ったリナの乳首に吸い付く。熱い舌が絡みつき、チュウチュウと音を立てる。
「ん、んんっ……!」
指よりも鋭い刺激に襲われて、リナは頭がクラクラしてくるのを感じる。
「ほら、乳首立ってるよ……かわいい……」
恥ずかしい言葉に思わずうっすらと目を開けると、男はリナに見せつけるように乳首をしゃぶっている。舌先でツンツンと弾いては、味わうように口の中でねっとりと転がす。
「気持ちいい……?」
リナは何度も首を振って必死に否定した。それがリナにできるせめてもの抵抗だ。だが、いまやリナは全身にしっとりと汗を浮かべ、身体が中から溶け出してしまいそうな感覚を覚えていた。
男は薄笑いを浮かべると身体を起こし、大きく開かれたリナの脚の間に潜り込む。
「こっちも可愛がってあげる……」
薄い布一枚を隔てて、男の指がリナの股間に触れる。ツツ……と下から上に割れ目を撫でられた瞬間、リナは子宮がキュンと震えたような気がした。身体が言うことを聞かず、勝手に腰が浮き上がってしまう。
認めたくはないが、それはまぎれもなく快感によるものだった。
(ダメ……! やめて……!!)
そんなリナの様子を男は見逃さず、何度も指を上下させながらじっくりと反応を楽しんでいるようだった。
「あはっ……やっぱり感じてる……。わかったよリナちゃん、もっと気持ちよくしてあげるよ……」
男の指が下着の上からクリトリスを探り当てると、一際鋭い快感がリナの身体の中心を駆け抜けて行く。クニクニと指で円を描きながら愛撫されるたびに、男の指の動きに合わせて踊るように、リナの腰がピクンピクンと跳ね上がる。
「ん、ん、んんっ……!」
リナは苦しげに眉根を寄せた。
(こんな男に無理やりされて気持ちよくなるなんて……そんなのいや……!)
頭ではそう思っても、鋭すぎる快感の中では思うように身体をコントロールすることができない。股間がじわりと熱くなっていくのを感じ、そんな自分の肉体を恨めしく思う。
「あは……パンティー濡れてきた……。やらしい匂い……」
恥ずかしい言葉を聞かされて、リナの全身が熱くなる。
「そろそろリナちゃんの感じてる声が聞きたいなぁ……」
男は身体を起こし、リナの口を塞いでいた布を抜き取った。
「も……もうやめて……! お願い…!!」
やっと自由になった口で、リナは男に哀願する。だが、興奮しきった様子の男がリナの頼みを聞いてくれるとは到底思えなかった。
男は再びリナの脚の間に潜り込み、股間に顔を埋めた。そして熱く濡れた舌全体を使ってリナの股間をねっとりと舐め上げる。拒もうにも太腿はガッチリと押さえられ、舌から逃れる術はない。
「いやっ! やめて……いやぁっ……!!」
男の愛撫は徐々に激しくなり、ピチャピチャといやらしい水音をたて始める。唾液で濡れた下着が股間にピッタリと張り付いて、男の唇や舌の柔らかい感触が薄い布越しに伝わってくる。
「やめて……だめぇ……!」
リナの叫びが虚しく室内に響く。
「んっ……! く……!!」
リナは歯を食い縛って愛撫に耐えた。声を出したら男の思う壺だと思った。