露出自粛解除-4
(えっ?普段から制服を着て歩いてる?プライベートでも?何のために?
やっぱりそうなんじゃないか?
だとすれば、顔が見てみたい。
あんな卑猥なことを休み中の学校に忍び込んでまで、
オレたちに見せつけるようなことをする女が、
いったいどんな顔をしているのか、なんとしても見てみたい。)
朔太郎はその女子の前に回り込もうと、歩くのだが、
彼女は微妙な距離を保ったまま、下を向いたまま、歩いている。
えっ?な、なんだろう、この人。わたくしの方ばっかり見て……。
えっ?わたくしの顔を見ようとしているの?
なんのために?
そりゃあ、わたくしの顔は、石〇さと〇似の美人顔。
見たくなる気持ちはわかるのでございますが、
今、日本国民に配られつつある【アレガマスク?】よりも、
普通に大きめのマスクで口元を覆っておりますし。
残念ながら、素顔はお見せすることはできないのでございます。
でも、やはり、あのお方。
あの教室でわたくしの方を見ていた方なのでございましょうか。
でなければこのタイミングでこの道を駅の方に向かって、
歩いているようなことがあるはずはないと思うのでございます。
だとすれば、どのようなお方がわたくしのあのような姿を、
ご覧になられたのか、知りたいところでございます。
それだけでなく、出来得ることなれば、
感想などもお聞きしたいというのがわたくしの本音でもございます。
(な、な、なんなんだ。あいつの方から、オレの方へ近づいてきた。
えっ?あっ!そう言えば、リベンジ……。報復?復讐?
根沢がいればいざという時に役に立つのになあ。
ヤべ〜。ここは逃げた方がいいかもしれない。
電車の時間は……。
う〜ん。今ホームへ行っても、そこで追い詰められたらもう逃げ場がないか。
どうする。あんな姿、見られたんだから普通じゃすまないだろうなあ。
そうだ。階段を上ったふりをして、いったん巻こう。
それで彼女の後ろからこっそり階段を上っていけば、
どっちのホームに降りるかの判断ができる。
そうだ。それがいい。)
おや?急に足早に駅に向かうなんて。
逃げようとしてる?何のために?
あ、やはり、覗いたという後ろめたさがあるから?
でも、リベンジをお誓いしたのですから、
次こそはちゃんと見ていただかねば。
そのためにも、きちんとお話をしておかねば。
(よし。ついてきてる。ここで一気に振り切って……。
ハァハァ。階段のこっち側に隠れて、っと。
あ、来た来た。見つかりませんように。)
あら?おかしいですね。階段を一気に駆け上がったのでしょうか?
ふう。仕方ない。どうせまだ電車が来るまでは時間があります。
ゆっくり上って、上からホームを見下ろせば、見つけられるでしょ。
(よし。上っていったぞ。さてと、気づかれないように、姿勢を低くして……。
えっ?スカートの中……。えっ?嘘、だろ?
ちょっと待てよ。もう少し近づかないと……。
見、見えた。お尻。それに、お尻の割れ目も。
ノー、ノーパン?
や、やっぱり、あの女子高の、さっきの露出女??)
ん?後ろから気配が……。
あ、あの男子学生……。
やっぱり、さっきの……。
そうだ。別にさっきの人であってもなくっても、
この距離、この角度なら……。
(*´艸`*)うふふ。
じゃあ、どうぞ。
ご覧くださいな。
(た、立ち止まった。やばい。気づかれた、か。
えっ?膝を伸ばしたまま、靴の紐、直してる。
スカートが捲れて……。お尻が丸出し、だ。
えっ?嘘だろ?割れ目だよなあ、今の。絶対に。確かに。
えっ?もしかして、オレがいるってわかってて、見せてる?
オレに向かって露出してる?ほんと?スマフォ、スマフォ。
千載一遇だよ、こんなの。めったにないチャンスだよ。
ほら、もう一度、屈んで……。って、おい、いきなり走り出す。
もっと、せっかくなんだから、じっくり見せろよ〜。
あ、どっちへ降りる?右か?左か?仕方ない。こっちもダッシュだ。)
さて、と。これで階段、駆け上がってくるはず。
出会い頭で御対面でございます。
覗き男子高校生君。
キチンとお話しして、リベンジのご相談をしておかないと。
出来ればあそこにいらした他の方々にもご連絡を取って頂かないと。
さりげなく、というポリシーには反することにはなりまするが、
非常時でござりますれば、かような方法もいたしかないかと。
(くっそ〜。足が、足が、前に出ない……。
あ、こ、コケる……。)
ばった〜〜〜ん。
(痛って〜。ん?この靴は?
えっ?だれ?
黒のぺったんこ靴。白いハイソックス。。スカート……。
えっ?)
大丈夫でございまするか?
さあ、手をこちらへ。
あ、その前に、ちょっとご覧になります?
(オ、オ、オマ……。)