紗季と和也 -その後の2人の関係-(2020/05/03)-12
「それでね、和也くん、
話はこれからなの。
私ね・・・・、
変わったものを見つけちゃったの。」
紗季はそう言って、和也の目をじっと見た。
「え?
変わったもの?
・・・な、なに?」
和也の表情が変わった。
明らかに動揺している。
「これなんだけど・・・。」
紗季は例のファイルをテーブルの上にぽんと置いた。
「あ!」
ファイルを見た和也は一瞬で赤くなり、
下を向いてしまった。
「和也くん、
これ、なに?」
「・・・・・・・・・。」
和也は無言のまま、下を向いている。
「和也くん、私、怒ってないから。
顔を上げてちょうだい。」
紗季にそう言われ、和也が恐る恐る顔を上げた。
紗季が和也の目を見る。
「ねえ、和也くん。
このファイルを見つけた時は、
私、とてもびっくりしたわ。」
「ご・・・、
ごめんなさい・・・・。」
和也は消え入りそうな声を出した。
「和也くん、
本当のことを話してくれるのなら、
和也くんが何を言っても、怒らないわ。
だから、私の質問に答えてちょうだい。」
「本当?
怒らない?」
和也が不安げに尋ねた。
「ええ、本当よ。
だから、安心して。」
紗季は優しく微笑んだ。
「・・・・・・・・分かった。」
和也が頷く。
* * *