紗季と和也 -その後の2人の関係-(2020/05/03)-11
和也が学校から帰宅した。
リビングで待っていた紗季は、
話すかどうかで一瞬躊躇したが、
結局、思い切って和也に声をかけた。
「和也くん、話があるの。
こっちに来てくれる?」
紗季に呼ばれて、和也がリビングにやって来た。
「紗季叔母さん、なに?」
「和也くん、座ってちょうだい。」
紗季に促され、和也は紗季の正面に腰を下ろした。
「和也くん、あのね・・・。」
「なに?」
「悪いとは思ったんだけど・・・、
今日、和也くんの部屋を掃除したの。」
「え!
そんな・・・、
僕、掃除はしなくていいって言ってるのに・・・。」
和也の表情に不満が表れる。
「そうよね・・・。
それについては謝るわ。
和也くん、本当にごめんなさい。」
紗季が頭を下げた。
「・・・・う、うん。
紗季叔母さん、もういいよ。」
紗季の素直な謝罪の言葉と態度に、和也の不満はみるみる
収まっていった。
* * *