優等生-1
「亜里沙、ほとんど最高評価じゃん!」
黒川亜里沙の成績表をのぞき込んで、彼女の友だちが羨んだ。
亜里沙は大学の二回生だ。中学生の頃から「優等生」という型にはまり、名門の大学に進学した。
昨年の春は登録した単位の半分しか取得できなかったのだが、秋から持ち直し、今年の春も全ての登録単位を最高の評価で取得した。
「あ、もうこんな時間か」
亜里沙は腕の時計に目を遣った。
「え?何かあるの?」
「うん。持田先生に用があって」
「ふ〜ん。テスト終わったのに勉強?」
「そんなんじゃないよ。じゃ、またね」
亜里沙は席を立つと、少し大きめの胸を揺らして走って行った。
そう、勉強なんかじゃない。これからすることは、亜里沙が「優等生」というプライドを保つために必要なことだった。
「す…すみません」
持田の待つ所へ行くと、息を切らした亜里沙は開口一番にそう言った。
「二十分遅刻だ」
そう告げた二十代後半と思われる男が、持田という人物だ。
「こっちへ来い」
亜里沙は持田の側に寄る。
「ちゃんと言いつけを守ったようだな」
「はい…」
派手なノースリーブの上着は、胸元から谷間を覗かせていた。下はデニム地のショートパンツで肌にピチっと張り付き、亜里沙の美脚を際立たせている。
持田の手が亜里沙の尻を鷲掴んだ。
亜里沙はただ黙っている。
尻を掴んだ手は舐めるように這い回り、時折掴んではこねくり回した。
持田はしばらく亜里沙の尻を撫で回すと、彼女を突き放した。
「二十分の遅刻につき、同じ時間足を舐めてもらう。片方ずつ、合計四十分だ」
「そ、そんな…」
「口答えしたな?」
持田が口の一端を歪めた。
「ごめんなさい」
「ペナルティとして、靴を十分舐めてもらおうか」
靴を十分、一足で二十分、足と合わせると全部で一時間だ。
「…はい」
これ以上逆らってもペナルティが課されるだけと悟った亜里沙は、机に腰掛けた持田の前に跪いた。
「ほら」
差し出された右足に、舌を伸ばして顔を近づけた。
舌の先が黒い革靴に付く。その部分の周辺は口内の熱でうっすらと曇り、舌が触れた部分は濡れて艶やかに黒の光を放った。
亜里沙は肘と膝を突き、四つん這いになっている。左の耳を少し地に近づけ、長めの髪は右の耳が見えるように掻き揚げられて左側に流れていた。
脚を軽く開き、頭を下げることで尻が少し高くなっている。
「しっかり舐めろよ」
「はぁ…はいぃ…」
持田の足下から、苦しそうに亜里沙が返事を返す。
綺麗な髪の端が地面と擦れているが、少しも気にすることなく靴を舐め上げていく。
「よし、十分だ」
持田は右足を引き、左足を亜里沙の口元に差し出した。
亜里沙は新たに差し出された革靴に、無言で舌を這わせていく。
「どうだ?ん?感想は?」
持田はほくそ笑んでいた。
「も…持田様の靴を舐めさせていただけて、…嬉しいです」
「そうか。尻を振ってないから、てっきり嫌々やっているのかと思ったよ」
ニヤニヤしながら持田は腰からベルトを抜き取り、バックル部分を亜里沙の尻へ放り投げた。