旋律が心に浮かべた物語-3
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ショスタコービッチの 16番目の
前奏曲とフーガの中に 病院から
無言の帰宅をした 同級生の女子と
夜を過ごしている 女の子がいる
彼女の部屋で 彼女のベッドに
寝かされている 「あの子」
声をかけたら めんどくさい顔して
起きだして来そうな 「あの子」
(今日初めてこの家に入った
程度の付き合いの私だっていうのに
どうしてあの子 あんな大事な
願いを 告げていたんだろ?)
「アタシ 閉所恐怖症だから
アタシが死んだりしたら
ギリギリまで カンオケの中に
入れないように 言って欲しいんよね」