思い出はそのままに-1
浩之は学校が終わると、急いで帰った。自分の部屋に入ると、カバンを投げ出し、ビデオカメラを手にする。閉じているカーテンを少しだけ開け、向かいの家を覗いた。
「おっ、間に合ったな。しかし、毎日お盛んだな」
浩之の視線の先には、二人の男女が楽しそうに談笑していた。いや、男女というにはあまりに幼い。少年少女といったほうがいいだろう。
浩之は二人を知っていた。少年の名前は祐樹。浩之は、祐樹とは年がかなり違うが、家が近くなのでたまに話すことがある。祐樹の両親は昔離婚していて、祐樹は父親と二人で住んでいた。父親が何をしているのかわからないが、かなり裕福な暮らしをしているようだ。祐樹の家は、周りの家より一回り立派だ。祐樹自身も、他とは違う、落ち着いた感じがする少年だった。
少女の名前は美奈。祐樹と一緒にいるところを紹介された。その時、二人は手をつないでいた。その時は、こましゃくれたガキだと思っていたが、実際はそれ以上の事をしていたということだ。
浩之はビデオカメラのファインダーを覗き込むと、二人に焦点を合わせる。
「ちっ、前置きはいいんだよ。さっさとやれよ」
浩之は舌打ちした。二人は相変わらず、楽しそうに談笑していた。それを見てると、自分が馬鹿らしくなる。浩之には、一緒にいてくれる女の子もいなければ、話をしてくれる女の子もいない。今も、昔もだ。祐樹にはあんな年頃で、楽しそうに話をしてくれる女の子がいるし、それ以上のこともしている。正直にうらやましかった。自分も、祐樹みたいな少年時代を送りたかったと、自嘲気味に笑うのだ。
浩之は美奈の笑顔をアップにした。明るい女の子だった。美奈は祐樹の一つ下だったと思う。それで、もう女なのだと思うと、なんともやりきれない気分になる
この年頃で、恋愛感覚というものがあるのだろうか。浩之は、自分のことを思い出してみる。
一人、好きだった女の子がいた。祐樹と同じ年頃の時は、恋愛感覚が薄かったせいか、よく話をしたし、仲も良かったような気がする。だが、大きくなっていくにつれ、意識し過ぎて話せなくなっていった。いや、彼女と釣りあわないことに気がついていったのだ。彼女とは中学校までは一緒だったが、それから、彼女は地元で有名な新学校に進んだ。その時は悲しかったが、あきらめがつくとも思った。手が届かないものに、いつまでも憧れていてもしょうがないと思ったのだ。それでも、彼女のことは、胸に小さな傷として残っている。二人を見ると、その傷も疼きだしてしまう。
「そろそろだな」
浩之は録画ボタンに指を置く。二人は見詰め合うと、顔を近づけ始めた。そこで、ボタンを押す。
唇を重ねた。キス。そんな生易しいものではない。舌を入れあっていた。絡めあっている舌が、見え隠れする。
浩之の口に、唾液があふれた。浩之もあんなキスをしてみたかった。それが、こんなところで隠し撮りをしている。二人を隠し撮りしたビデオも、かなりの本数になっている。自分よりはるかに年下の性行為を覗き見る情けなさ、悔しさ、恥かしさ。それでも止める事ができない。浩之は唇を噛み締めた。
祐樹が美奈を押し倒した。浩之は頭の中の邪念を追い払うと、目の前の出来事に集中する。祐樹が美奈の服を脱がす。美奈は、もちろんブラジャーなどしていない。下はキャミソールだけだ。だが、胸のふくらみはわずかにある。ちょうど、成長期にさしかかるころなのだろうか。祐樹の口が、美奈の乳首を吸う。美奈は喘いでいるように見えた。浩之の所からは、もちろん二人の声は聞こえない。それでも、奈美の喘ぎ声が聞こえるような気がする。
祐樹は美奈の乳首から舌を離すと、美奈の秘部に指を当てた。美奈の秘部には、まだ陰毛は生えていない。きっとこれからなのだろう。美奈の秘部はまだ一本線だ。祐樹の指が、奈美の中に埋まっていく。浩之はそこをズームアップにする。祐樹の指が、濡れて光っているのがわかる。
浩之はそれを見て唇を舐めた。浩之は勃起している。今は撮影しているので、しごくことは出来ないが、後でビデオを見て、何回も射精するのだ。その後は、何ともいえない恥かしさと屈辱で、身が震える
祐樹が服を脱ぎ始める。スレンダーな体。筋肉もろくについてない。成長期前の体だ。だが、ペニスはなかなかのものだ。浩之と同じくらいはあるだろう。きっとこれから、数多くの女を泣かせることになるのだろう。そう思うと、口の中に苦い味が広がる。祐樹のペニスはほぼ直角に勃起している。これが、若さなのだろうか。祐樹は、ほぼ毎日美奈を抱いているというのに。
祐樹のペニスが、美奈の秘部に照準を合わせる。そして、押し込んだ。祐樹のペニスはすんなり入る。美奈は痛くないのだろうか。美奈の秘部は見るからに小さい。とても、祐樹のペニスが入るとは思えないのだ。祐樹が腰を動かし始める。美奈が祐樹に手を回して喘いでいる。祐樹が、腰の動きを速める。大人顔負けの激しいセックスだ。