思い出はそのままに-55
美由紀が、祐樹の赤ちゃんを妊娠する。恐ろしいことだった。考えたくもなかった。膝に力が入らない。浩之は倒れそうになる。
浩之は、自分が射精していることに気がついた。いや、射精しているというより、漏れでているというほうが正しいだろう。ペニスの先から、だらだらと精液が流れ出している。それを、祐樹が、汚いものを見るような目で見ていた。死ぬほど恥かしかった。だが、どうにもならない。自分ではどうしようもないことなのだ。
「お姉ちゃん、痛かったゴメンね」
美由紀は、放心していた。よほど、膣に出されたことが堪えたのだろうか。
祐樹は、ペニスを抜こうとはしなかった。入れたまま、美由紀のクリトリスをくすぐり始めた。
「ヒイッ！ あううう・・・ダメ・・・そこダメェ・・・」
「お姉ちゃん痛い？」
美由紀は答えなかった。だがだ、クリトリスへの愛撫に、身を震わせている。祐樹は、ゆっくりを挿入を始めた。美由紀が、眉をひそめるが、そんれほどの痛みはないようだった。
「ごめんね。お姉ちゃんのオマ〇コがあんまり気持ちよかったから、抑えが効かなかったんだ。こんどは、お姉ちゃんを気持ちようしてあげるよ。お姉ちゃんは、初めてだから、どこまで気持ちよくなれるかわからないけど」
「あうっ・・・はぁ・・・いい・・・気持ちいい・・・」
祐樹は、美由紀のクリトリスを刺激しながら、あくまでゆっくりと挿入を繰り返している。しばらくすると、美由紀が甘い声を出し始めた。それが、だんだんとはっきりとしたものになる。
浩之には、信じられないことだった。
「ひゃあ！ いいっ！ クリちゃん、さわっちゃダメぇぇぇ・・・はうぅぅぅ・・・」
「お姉ちゃん・・・そんなに締め付けちゃダメだよぉ・・・」
美由紀は、膣よりクリトリスで感じているようだ。祐樹も、それをわかっていて、あくまで挿入はゆっくりと、あまり刺激しないように挿入している。
「ひゃあ・・・なんで！？ イッちゃう・・・また、イッちゃうよおおお！！ 初めてなのにイッちゃうううーーー！！」
「く・・・さあ、お姉ちゃん、イって！ うんといっていいよ！」
「くううう・・・イクうううーーー！！ 初めてなのにイッちゃうううーーーーーー！！！」
「うおおおっ！？ 締まる・・・そんなに締めたら・・・うあああーーー！！」
美由紀がイッた。その時、美由紀の膣が締まったのだろう。祐樹も、射精したらしい。随分と長く、震えていた。
浩之は、下半身に力が入らなくなった。そのまま、地面に腰をつける。見ると、地面に、浩之の精液で水溜りが出来ていた。ずっと漏れでていたようだ。気がつかなかった。今も、とめどなく精液が流れ出している。恐ろしかった。射精が止まらない。これでは、力が入るわけがなかった。立とうとしても、立ち上がれなかった。
祐樹は、そんな浩之など知らずに、また挿入を繰り返している。今の祐樹には、浩之などは眼中にないのだ。何か言おうと思ったが、言葉が出なかった。
『謝れ』という声が聞こえる。みんな、浩之を笑っていた。祐樹が、美由紀が、あの時の子供達が、浩之を笑っていた。はっきりと見える。
止めてくれ。そう言おうと思ったが、言葉が出ない。口だけが動いた。
浩之がいた。頭を下げていた。みんなに笑われていた。屈辱で震えている。だが、何も言い返せない。ただ、黙って堪えている。
負け犬。その姿は、まさに負け犬だった。死にたかった。自分は、こんなにも情けない男だったのか。これでは、生きていても恥かしいだけではないか。
「お兄ちゃん！」
美奈と菜美が駆け寄ってきた。何か言っているようだが、よくわからない。美由紀を見た。また、イッたようだ。美由紀が、とても遠くにいるように感じる。
意識が遠くなる。美奈が何か言っている。菜美が体をゆすっている。自分のこととは思えなかった。すべてが、遠い。
そして、闇に包まれた。