思い出はそのままに-15
「おい、次は武士の番だぞ」
「うん・・・」
武士が、菜美の上にのしかかった。
「ど、どういうことなの、武士くん!? これは・・・いったい・・・」
「美咲ちゃんは、セックス見るの初めてなの?」
「セックス・・・って。なんなのっ、これ!? 祐樹くん、これなんなのっ!?」
「見たとおりさ。セックスだよ。健太も武士も、みんな菜美とのセックスを楽しんでるんだよ」
「菜美ちゃん・・・」
菜美は、顔を真っ青にしてうつむいている。
「美咲ちゃんにこれを見せたのは、美咲ちゃんにも、セックスを楽しんでもらおうと思ってね」
「いや・・・いやぁあああ!!」
「うるさいんだよっ!」
健太が叫んだ。力任せに、美咲を押し倒す。
「健太っ!! なにするのっ!! いやぁあああーーー!!」
「いくら叫んでだめだよ。ここは地下で完全防音だからね。それに・・・」
祐樹が美咲に近づき、耳元で囁く。
「菜美がどうなってもいいの?」
美咲の動きが止まった。美咲が菜美を見る。菜美は耳をふさいで座っていた。
「そんな・・・」
「わかったかい? まあ、暴れようと、どうしようもないけどね。素直にセックスを楽しむのが一番いいよ。もっとも、最初は痛いだろうけどね。ヒャハハハ!!」
祐樹の、甲高い笑い声がこだまする。それが、浩之の癇にさわった。
「浩之さん。助けてくださいっ!」
美咲が浩之に向かって叫んだ。
「ムダだよ。お兄ちゃんは何も出来ないんだ。ボクの言いなりだからね」
祐樹が合わせろというのは、このことだろうか。一応、浩之も被害者ということになるのだ。だが、言いなりという言葉が気に食わなかった。それでも、ここは抑える。
「ごめんね、美咲ちゃん。助けてあげることは出来ないよ」
「そんな・・・」
「さあ、お兄ちゃん。撮影を」
浩之はうなづくと、持っていたビデオカメラを構えた。
「美咲・・・美咲・・・」
健太が美咲の口に吸い付いた。
「んん・・・んっ・・・むうっ・・・やあっ!」
健太は舌を入れようとするが、美咲は口を閉じて入れようとはしない。
「クソッ! わかってるのか、美咲っ!! 菜美がどうなってもいいのか!!」
「うっ・・・ううっ・・・」
美咲が泣き始めた。健太は、再び美咲の口に吸い付く。
「んんっ!! あん・・・むむっ・・・あむ・・・んんっ!」
美咲は、健太の舌を受け入れる。
「んん・・・んふう・・・あんん・・・ううっ・・・」
健太は随分長く、美咲の口に吸い付いている。離そうとしない。美咲の顔が、不快感に歪む。
「プハァ・・・美咲・・・はあはあ・・・」
「ゲホッ・・・ゲホッ・・・オエッ」
健太がやっと口を離す。美咲が咳き込んだ。
美咲は制服だった。健太は美咲のシャツのボタンを外そうとする。それを、美咲の手が塞いだ。
「いやぁあああ! やめてよっ、健太!」
「うるさいっ!」
健太は美咲の手を振り払うと、シャツのボタンを引きちぎった。キャミソールも引きちぎる。
「なんだ? おまえ、ブラジャーなんかしてんのか。生意気なやつだな」
「いやっ! 見ないでっ!」
「隠してもムダなんだよっ!」
隠そうとする手を健太が掴んだ。
美咲が付けているのは、ティーンズ用のかわいらしいやつだった。健太は、血走った目で美咲の胸を凝視する。美咲は、その視線から逃れようと体を動かすが、健太は離さない。
「おまえ、けっこう胸あるじゃないか」
「なに言ってるのよ! いやぁ! 健太、おねがい、やめてっ!!」
「ハッ、なに言ってんだよ。おまえは今から俺にやられるんだよ・・・おれのものになるんだ・・・誰にも、わたさない」
「け、健太・・・?」
健太は明らかにおかしかった。何かに憑かれたような目をしている。健太は美咲のブラジャーを引きちぎった。
「いやぁあああ!!」
美咲の乳房が露わになる。浩之はそれにファインダーを合わせる。
美咲の胸はかなり膨らんでいた。菜美や美奈とは明らかに違う。一つ違うだけで、これほど違うのだろうか。体つきも、女に近づいているという感じだ。少女を脱皮しようとしている感じが、よく出ていた。