春間近、別れをひかえて-2
バカな息子?不祥事?
キジ斗は首をかしげた。
「何それ、俺のこと?俺が何したって言うの?」
ひろ子はキジ斗に目も合わせず言った。
「あなた、某祥さんがどういうひとなのか知ってるの?」
「……いや、知らない。」
「まあ、あなたは一年生の途中で転入して来たから仕方ないわね。」
ひろ子は顔をあげ、キジ斗をにらんだ。
「某祥さんは、あなたのお父様も勤める、この産業都市を取り仕切る総合商社の創業者の、直系の血族なのよ。」
「えっ…… ええっ?」キジ斗の身体に冷たい筋が走った。「知らなかった……」
「そうよね。」ひろ子は口元に異様な笑みを浮かべた。「私達s学から一緒だったから、みんな某祥さんを『お嬢様』と呼んでいるわ。お嬢様やお嬢様のご両親がいやがるから、学園では『某祥さん』と言ってるけどね。」
「…………」
「あなたが転入してきた時から、あなたがお嬢様にいやらしいふるまいをするのを見て、私達はみんな あなたとお嬢様が接近しないようにしてたわ。特に女子は、あなたの性欲がお嬢様に向かわないようにする『性の盾』になってたの。」
「…………」
「私達は学園内ではずっとあなたを監視してたわ。あなたがお嬢様に近づくと、女子なり男子なり 誰かが現れて遮ったでしょ。」
「…………」
「時には私はこうしておっぱいで、他の女子はお手々やおクチであなたのチンポを癒してたでしょ。みんなお嬢様を守るためよ。お嬢様が大好きなの。それで満足してくれりゃ良かったのに、あなたは最後まで本気でお嬢様を犯そうとしたんだから。」
「…………」
「それで、某坂くん。」
ひろ子はキジ斗に顔をグッと近づけた。
「あなた、とんでもないことしでかしてたのよ。」