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【青春 恋愛小説】

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1:1:1〜郡司佐和〜-5

学祭が近づいてきた。

あたしはクラスの模擬店のチケットを作る係。プラス、幽霊部員ばかりの部活を手伝ってほしいとのことで、茶道部と華道部の手伝いにもかりだされた。
昼休みも話し合いながらその子達と食べたりして、3人組でいる時間が少なくなってきた。

早とバカ話をして笑いあいたいな…

成と
成とまた見つめあいたい…
忙しくなる日々。
同じクラスにいながら、用事を伝える程度しかしゃべらなくった。
あたしが暇でも2人が何かをしていたり…すれ違う。


「佐和〜!!」
3階の渡り廊下から、看板用のベニア板を運んでいる早将が、あたしを呼んだ。
「俺、飛び入りで応援団になったから〜!!」
「え〜!?あ…」
あたしは部活中に足首を捻挫したと言うクラスメートを思い出した。
「ちゃんと2日目の体育祭もサボらずこいよ〜!?俺の格好いいとこ見とけぇ〜」
そう叫びながら、早は渡り廊下から姿を消した。
あたしは何だか自然と笑みがこぼれた。

茶道で使う絨毯を運び終え教室に戻ると、今度は成に会った。
何だか疲れている様子で、教室で一人うとうとしていた。
声をかけて一緒に帰りたかったが、あまりに気持ち良さそうに寝息をたてているので、あたしは声をかけるのを止めた。

教室にはあたしと成しかいない。

久々にゆっくり成を見た。
いや、こんなにじっくり成の顔を見たのは初めてかも知れない。
男の肌とは思えないほどキレイで、真っ黒の髪の毛が成の格好いい顔を際立たせている。

胸が締め付けられる。

3人組はとても居心地がいい。
楽しくておもしろい早将。
優しくて格好いい成将。

早…大好きだよ
でもあたしは成が好きです。
早とは親友でいたいけど、あたしの気持ちを知っても親友でいてくれるかな…。

あたしは成の艶々光る短い髪に触れ教室を出た。

溢れる想いは成と話せば話すほど増し、会わない日が続けば続くほどつのった。

学祭前日。

あたしは告白を決意する。

これ以上、早をだまし続けられない。成への気持ちを押さえられない。



あたしは沈黙を破る。


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