五条朱代・早くもアナルデビュー!? と思いきや…-1
「さて、五条朱代さん。今日は何をやるか聞いてますね?」
ハンディカムを構えて下品な笑いを抑えようともしないのは、業界内でも変態で有名な守屋という監督だ。
撮られる朱代は、自宅を出たときのままの黒ニットにタイトスカートという地味な出で立ちである。
控え室で着替えなどの指示待ちをしていたら、守屋が撮りながら入ってきたので、朱代のリアクションは素の驚きであった。
「えっと……今日は、お尻……と聞いています」
口にするのも恥ずかしかったが、朱代は答えた。
「そうですねぇ。お尻の穴でセックスするんですよ。では事前に聞かされてるタイトルをカメラに向かってはっきり言って貰えますか?」
さらに守屋は要求する。
女性の口から音声化するには、あまりにもはしたない題と承知した上での羞恥プレイである。
朱代は頬を赤らめ、鏡台に置いてある資料を見やった。
「あの、これ言うんですか……?」
四十四歳の極妻が生娘のように恥じらう顔が、かえって見る者の欲情を煽るのだが、朱代はそのことを自覚していない。
うっすら潤んだ瞳を守屋に向けたが、
「言って下さい。主演の朱代さん自身の口で、タイトルコールしないと」
サディスティックに守屋は迫った。
そこに並んだ卑猥極まる文字列を眺め、朱代は身体の奥底が熱く燃えてくるのを感じた。
「では……言います。わたくし五条朱代、今回の撮影は……
『どスケベ極妻のケツマンコ祭り!熟れまくり芳醇クソ穴をデカマラでほじくり回される美しすぎる四十路ビッチ』
ですっ」
破廉恥な語を吐くたびに、被虐的な快感が身体を走り、朱代の雌芯は疼いた。
「芳醇クソ穴ってのがいいよねぇ。その顔で朱代さんのクソ穴はどんな匂い、どんなお味してるのか楽しみですねぇ〜」
守屋は突きつけるように最も下卑たワードを連呼した。
逃れられないこの仕事に対し、覚悟を固めている朱代であった。
死にそうな恥ずかしさをも悦びに塗り替えて、オカズに徹することこそ朱代に与えられた使命なのである。
「はしたない匂いプンプンさせるかもしれませんが、よろしくお願いします」
とろりと潤った目を細め、朱代はカメラに喋りかけた。
「いいねぇ〜。それじゃ早速クソ穴拝見して、拡張していくとしましょうか」
「えっ!?」
守屋の言葉に朱代は目を丸くした。