誇り高き首領妻の熟肢体は白濁汁を浴びて-9
それから数日、朱代にもたらされた「追加撮影」は、最大の陵辱であった。
「絶対そんなの出来ない!!」
子分の柴田と末松がいる前で、我を忘れて朱代は泣きじゃくった。
ギャラの入った茶封筒を手に、梶谷はヘラヘラと笑う。
「作品の一環なんです。仕事としてやらなくちゃならないんですよ?」
朱代のホーム、いわば梶谷のほうから敵陣に乗り込んできた形ではあるが、連れている供も梶谷側のほうが多い。
それに、今や朱代は梶谷に「使用される」立場となっていた。
五条邸でありながら、絶対的に弱い地位にいる朱代は梶谷の要求をはねつけることが出来ないのだ。
「前にお願いしたでしょ……あんたも約束してくれた。獄中の五条には知らせないってこと、これだけは絶対に……」
「ええ約束しました。忘れちゃいませんよ。ですが、俺らからは知らせないってだけで、姐さん本人から知らせることは含まれちゃいませんや。しかもこれはラストに付け加えるシーンってことで有馬監督が提案なさった、作品の一部だ。契約から言って、断ることは認められませんね」
それは、仮編集段階のディスクを獄中の五条幹治へ宛ててポスト投函するというシーンの撮り足し要請であった。
あまりにも酷な精神的陵辱ではないか。
肩を震わせ慟哭する朱代に、柴田と末松が寄り添った。
「すみませんが……今日はお引き取りを」
「姐さん、答えられる状況じゃねえですから」
柴田と末松は下手に出て梶谷に頼んだ。
「いやいや何言ってんだか。これ分かるよな? 朱代さん、あんたのギャラ!」
テーブルに茶封筒をピシピシと叩きつけ、梶谷は声を荒げた。
「対価受け取っての、れっきとした仕事なんだよコレは! 自分で署名捺印して、吐いた唾飲まねえって大口叩いておいて、おろそかにすんのかよオイ!」
後ろにいる梶谷の子分たちも、
「そうだ、そうだ!」
「ざけんなよ!」
などと恫喝の声を張り上げた。