ある資産家の夢(2020/01/25)-7
インタビュー終了後、北条は玄関まで莉乃を見送ってくれた。
同行してきたディレクターは、インタビュー終了直後に先に帰ってしまっている。
莉乃は玄関先で北条に話しかけた。
「実験は公開するのですか?」
「そうしたいとは思うのですが、内容が内容だけに
インターネットでの生中継は無理ですね。」
北条は残念そうな表情を見せた。
「そうですか・・・。」
莉乃も北条に合わせて残念な表情を見せる。
「ただ、視聴者を限定しての公開は考えています。」
「そうなんですか?
もし可能でしたら、私も視聴させていただきたいです。」
莉乃は本心からそう願い出た。
「そうですか。
北条さんなら、喜んで。」
「ありがとうございます。」
「なんなら、女性パートナーに応募して下さればいいのに。」
北条が莉乃をじっと見る。
「私がですか?
私なんて、書類選考通過できませんよ。」
冗談っぽく莉乃が答えると、北条は真面目な顔になって言った。
「そんなことはないです。
北条さんは確実に最終面接に残ります。
というか、残させていただきます。」
北条の言葉を、莉乃は肯定的に捉えることができていた。
謝礼が桁外れに高額だし、そもそも莉乃は顔射に対する抵抗感が
一般的な女性よりも低い。
「それは・・・、光栄です。」
莉乃が顔を赤らめながら答える。
「浅葉さん、本当に検討してくださいね。」
「・・・はい。
分かりました。
検討させていただきます。
では、失礼いたします。」
莉乃は北条に顔射されている自分を想像しながら、邸宅を後にした。