剣だこ〜試合〜-2
勢い良く水を流して顔を洗う。
さっきの試合を思い出してみる。
一瞬だったなぁ、あの時慌てて打ち込まなきゃよかった。
涙が流れた。
弱さを実感したから。
私の初めて大会は無様な敗退で幕を閉じた。
家路に着く車の中で今までの事を思い出していた。
剣だこはまた円を描くように縁が痛みだした。
強くなることって一直線の道を行くよりも
曲がりくねった道をくねりながら迷いながら諦めずに進むことだと思った。
家に着くと極度のつかれからか、食事もとらずに私は寝てしまった。
もうすぐ合宿が始まる。
またあの静寂に身を委ねたい。
一本取った時の快感を味わいたい。
だけど、いまはこの疲労感が心地よさを感じながらゆっくり眠りたかった。
もうすぐ夏休みだ。