スケベな身体の四十路ババアはハードコアAVに出ろ!?-5
「お義姉さんも飲むぅ?」
リビングのソファで顔を赤くした浪子。
はだけた浴衣姿もしどけなく、控えている若い衆も目のやり場に困っているようだった。
ローテーブルには半分近くまで減ったマッカランの瓶が鎮座している。開けた覚えのないものだから、風呂上がりの浪子がそれだけ飲んだということだ。
義妹の酒好きは知っているが、このところますます酒量が増えている気がして心配になる朱代だった。
朱代はグラスに注がれた琥珀色の美酒をひと息に飲み下すと、大きく息をついた。
「どうしたのお義姉さんったら、浮かない顔しちゃって。梶谷の用事は何だったの?」
浪子が自分のグラスに注ごうとするのを、朱代は制した。
「飲み過ぎよ、浪ちゃん」
「ん〜、意地悪ぅ。うちもだいぶ所帯が苦しくって、安西ったら、あたしの酒代も細かく管理してんのよう。ここに来たときくらい飲ませてよ」
「台所事情は別として、浪ちゃん飲み過ぎると送迎の若い衆が迷惑するのよ。そこんとこも考えないと、極道の嫁はつとまらないよ」
「ちぇっ。またお義姉さんったらモラリストになっちゃって……ね、もう一杯だけ」
「もう一杯だけよ」
本当は止めたいところだが、懐いてくれる義妹が可愛いのである。
浪子がウイスキーにあるまじき波々のおかわりを傾けていると、電話が鳴った。
「姐さんにと……」
受けた若い衆が呼びに来た。
「誰からだい?」
「名乗らねえんですよ。でも、きつい関西訛りの野郎です」
嫌な予感をくすぶらせつつ、朱代は電話口に立った。
「誰?」
『ま、ま、そんなことどうでもよろしいさかい、今からわしの言うニュースサイト見たってんか。えっらいおもろい記事が出てまんねや』
そのサイトの名を告げ、電話は切れた。
「三島といい梶谷といい、今夜はおかしなことばっかり……」
ぼやきつつ、朱代はスマホを起動して告げられたニュースサイトを閲覧した。
「こ、これは!?」
朱代は目を疑った。
そこには、とんでもない見出しが踊っていた。