明かされた街の秘密-1
麗子の家は病院からは5分ほどのところにあった。
庭付きの立派な2階建て。4,5台は停められると思うほど広い駐車場。
今はト〇タの高級車が1台停めてあるだけだ。
家は窓の数からして部屋数も多そうだ。
麗子の家は確か4人家族だったはず。
かなり贅沢なつくりをしているように思えた。
玄関はなぜか二つあった。
麗子は右側のドアについたドアフォンを鳴らした。
(二世帯住宅?父親の両親と同居ってことか?)
それならば部屋数が多いのもうなずけた。
「お帰りなさい。」
ドアフォンから返事が返ってきた。
声からすると母親のようだが声は若かった。
「ただいま。担任の先生、連れてきた。」
麗子がオレを手招きする。
「どうも初めまして。担任の松岡です。突然お邪魔して申し訳ありません。」
「あ、あなたが今度いらしたセンセですか。娘がお世話になってます。
どうぞおあがりください。」
(これが麗子の母親か。どう見ても20代後半。いや、そんなはずないか。)
玄関先で俺を迎えた女性が麗子の母親だとすれば、
いくら若くても30代中ごろというところだろうか。
しかし、どう見ても20代にしか見えなかった。
オレはリビングに通された。
どのくらいの広さだろう。
1DKのマンションに住むオレにはその広さが想像つかなかった。
まあ、例えるなら学校の普通教室分くらいの大きさだろうか。
どでかい画面のテレビに豪華そうなソファー。
一昔前ならトラの毛皮でも置いてありそうな雰囲気だ。
ソファーもうっかりするとうずもれてしまうほどフカフカだった。
母親らしき女性はキッチンでお茶の用意をしている。
オレはそのすきに、隣にちょこんと座った麗子に聞いてみた。
「あの人って、麗子のお母さん?」
「うん。そうだよ。」
「へ〜。お姉さんかと思ったよ。」
「やだ〜。お姉ちゃんはまだ〇1だよ。あれはお母さん。」
「でも、若いよね〜。」
「うん。まだアラサーだよ。」
「アラサー?」
「うん。確か27、だったかな。」
「27?」
(麗子の言うことが本当ならば麗子の母親は麗子を1〇歳で産んだことになる。
(おいおい、金八先生じゃねえんだぜ。)
オレは頭の中で杉田〇おるの顔を思い浮かべていた。
「先生。ありがとうございます。来ていただいて光栄ですわ。
お怪我の方は大丈夫ですか?」
麗子の母親がオレに改めて挨拶した。言われてオレは思い出した。
(そうだ。足。いや、頭もだ。そういえば痛みが全くない。
それにタクシーから降りて、オレは一人で歩けたぞ。
あの薬の効果?凄い効き目だ。)
オレは改めて麗子の母親という女性を見た。
顔は女優の満島ひ〇りといったところだろうか。
街で見かけたら思わず声をかけてしまいそうなほどの美人だ。
(麗子は母親似だったんだ。)
オレは妙に納得した。
(母親と娘ならば、身体のつくりも似ているはず。
ということはこの母親もかなりのボディーの持ち主のはずだ。)
オレは床に膝立ちしながらコーヒーカップをテーブルに置いている母親の身体を、
それとなくそっと盗み見した。
ピンクのニットシャツの胸元は確かにボリュームがあって胸の谷間が見える。
紺か黒のタイトスカート、布地がはち切れそうなほど張ったヒップ。
そのスカートから覗いている太股はやはりたるみなど全くなく、肌もきれいだった。
足首はしっかりと締まっていて、モデルでも見ているような感じだった。
(そういえば麗子は帰り際、変なことを言ってたな。うまくいけばできるとか…。)
「センセ。どう?うちのお母さん。いい身体してるでしょ?」
麗子が突然話しかけてきた。
「えっ?あ、そ、そうだな。」
麗子の存在さえ忘れ、すっかり男になっていたオレはドキッとした。
「なにビビってんのさ。もっと堂々と見ればいいのに。」
麗子がオレの股間に手を置きながら言った。
「あらいやだ。センセったら。言ってくださればいいのに。」
麗子の母親はそう言うと、ゆっくりと立ち上がり、オレの目の前に立った。
そしてオレの目をじっと見つめながらテーブルの上にトレーを置いた。
(???)
両手を頭の上で組むようにして、オレを見つめたまま、
麗子の母親は自分の胸やお尻をオレに見せつけるようにゆっくりとその場で回った。
「いかがです?お気に召しまして?ごめんなさい。こんな普段着で。」
「あ、いや、とんでもない。はい。素敵です。」
「まあ、嬉しい。センセ。わたし、センセみたいな人、タイプなんですよ。」
「あ、ありがとう、ございます。」
「今日はあいにくこの後、予約が入っていて………残念だわ。
でも、そう長くはかからないと思いますので。
ゆっくりしてらしてくださいな。
それからこの次いらして下さるときには前もってお知らせくださいな。
スケジュールを空けて精一杯おもてなしさせていただきますから。」
「スケジュールを?いや、そんな。」
「いえいえ。最大限のおもてなしをさせていただきます。娘の大事なセンセですもの。
麗子、いつもセンセのお話ばっかりしてるんですよ。
中野先生が突然お休みになられて、代わりの先生がなかなか見つからないって聞いて、
わたくしどもも心配していたんです。
でもこんなに素敵なセンセに来ていただいて麗子も幸せです。」
「は、はあ。」
「もうすぐ主人も来ると思いますから。もうしばらくお待ちくださいね。」
「あ、いえ、そんな、こんな時間に伺って申し訳ないです。」
「とんでもない。今夜主人はフリーですから。
さっき話しましたら、センセとお話しできるのを喜んでおりました。」