投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

祭りの日の儀式
【若奥さん 官能小説】

祭りの日の儀式の最初へ 祭りの日の儀式 40 祭りの日の儀式 42 祭りの日の儀式の最後へ

決行へのカウントダウン-4

「おい透。俺たちは帰るからな。あんまし無茶すんなよ」
 宴会の後片付けを終えた悟が、透に声を掛けた。
「わかってますよ。ああ言ってても、もう憶えてないだろうし、多分寝てます。酔っぱらうとすぐ寝ちゃうから」
 さすが夫。優香の行動パターンを完全に把握しているようだった。
「ま、コトはそれぞれだから。でも、すげーな、優香ちゃんは」
 優香のはっちゃけさは、皆承知の所ではあったが、まさかスカトロプレーを自ら望むとは、予想の遥か上を行った。

 悟夫婦は、久美の運転で家路についた。
「ビックリしたねぇ」
 ゆっくりとアクセルを踏みながら、久美が言った。
「ああ。おしっこの話は、この間聞いていたから、どうとも思わなかったけど、まさかスカトロ方向に話がいくとはね」
 悟も完全に想定外のことだったようだ。
「まあね、二人の世界だから、ノーマルとアブノーマルとかの線引きは、あの子たちにしか決められないからね。傍から見れば、私たちのアナルセックスだって、変態領域だと思う人もいるでしょうから」
 久美自身も、アナルは一般的ではないと思っている。
 自分たちが夜な夜な繰り返すアナルプレイは、それほど多くがしていることではないと、理解もしている。
「でもさ、スカトロは・・・・・・ちょっとレベルを超えているって言うか、失礼な言い方だけど、完全に変態行為よね」
 久美は、クスっと笑った。
 嘲笑でも嫌悪でもない久美の笑い方は、もしかすると、久美もその気があるかもと思わせるようでもあった。
 悟は、その表情を見て、少し引いた。
 残念ながら、悟にスカトロ趣味は無かったのだ。

「ねぇ、私がスカトロ愛好者だったらどうする?」
 悟の気持ちを見透かしたかのような、久美の質問に、悟はたじろぐしかなかった。
 久美は、人の気持ちを読み取るのに長けた人間だ。察したのではなく、本当に、悟の心の中を覗いたのかもしれない。悟は、そう思った。
「悪ぃ。俺、そっちは興味ないんだ」
 正直に答えた悟。
「うん。わたしも、全然無いな。汚いとしか感じないし」
 これは本心だろう。
 セックスの最中に、潤滑油としてカマかけをすることがある久美だが、こういう場面ではそういうことをしない。
 悟は、ホッとした。
 うんこまみれの自分の顔を想像するのは、ゾッとするどころの話ではないから。


 徒歩圏内の臣吾たちは、歩いて自宅兼店舗に向かった。
 昼間の熱気は、完全に冷めてはいたが、蒸し暑い風が二人を包んだ。
 冷房の効いた店から出ると、体感以上の暑さを感じる。少し歩いただけでも、じっとりと汗ばみ始めた。

 二人は、無言だった。
 この後、どのようなことが始まるかは、お互い良くわかっていた。
 俯いたみなみの横顔は、どこか不安げな表情。それはそうだ、恥辱ともいえるスニッフィングプレイの始まりが、目の前に迫っているのだから。
 その空気を、パートナーである臣吾も感じ取っていた。
 臣吾も、期待感よりも不安感の方が大きかった。
 その道のマニアならば、狂喜乱舞するほどマニアックな世界の扉がすぐそばにあるのだ。
 ほとんどノーマルな性生活しか営んできていない臣吾夫婦にとっては、未知の世界であり、不安感に襲われるのは、仕方のないことである。

 みなみの不安を感じ取った臣吾は、そっと手を握った。
 二人とも、しっとりと汗ばんでいた。互いに何を感じ、何を思っているのか分かったような気がした。
 みなみは、臣吾の手を握ったまま、腕にしがみつく様に、しなだれかかった。
 その瞬間、みなみの鼻に、臣吾の汗の匂いが伝わった。
 不思議と嫌な気持ちにはならなかった。むしろ、これから始まるプレイの序章の如く、みなみのフェチ心のアイドリング開始を告げるスイッチとなった。

 何日間か、身体の洗浄を禁じられている中、洗髪は数少ない許された行為である。しがみつかれた臣吾は、ふうわりとしたみなみの髪のいい匂いを鼻にした。
 その中で、わずかながら、体臭と思える匂いも確認できた。
 可愛らしく、愛くるしいみなみからは想像もできない汗の匂い。これまでそんなものなど微塵も感じさせなかった愛する妻の下品な匂いに、臣吾のフェチ心も、一気にギアを上げた。

 祭りの日は、遅くなることが分かっているので、結輔は両親が面倒を見てくれている。
 臣吾の妹夫婦も、祭り時期には帰省してくる。結輔も従兄弟たちと遊べることから、祭りの日を楽しみにしている。
 今頃は、遊び疲れて、従兄弟達と川の字で寝ていることだろう。
 なので、子供のことを気にせずに、倒錯した世界に没頭出来る。

 玄関の鍵を開けるみなみの手が、心なしか震えているような気がした。
 不安の震えか、それとも期待が抑えられず、そうなっているのか。その答えは、部屋の中、ベッドの上にある。

 玄関をロックし、靴を脱いで家に上がろうとするみなみを、臣吾は後ろから抱きしめた。
 一瞬、ビクッと身体を震わせたみなみだったが、自分から身体を反転させ、臣吾に抱き着いた。
 臣吾もきつく抱きしめる。
 互いの汗の匂いが、互いの鼻に届いた。

 匂い一つが、こんなにエロティックなものだとは今まで思っていなかった二人だが、媚薬のように、心と身体を性世界へ誘う。
 自然と、二人の唇が接近し、軽く触れた。
 フレンチキス。
 高校生のような淡い恋の接吻は、3秒ともたなかった。
 アイドリング状態が長く続いていた二人のスニッフィングメーターは、既にバーストする手前だった。
 フレンチキスが、引き金となり、そのメーターは解放された。
 ネチョネチョと、今までにしたことのないような、いやらしいディープキスに移行していった。

 もう、その世界はすぐそこ。
 いや、舌を絡めている時点で、既に入っているのだ。


祭りの日の儀式の最初へ 祭りの日の儀式 40 祭りの日の儀式 42 祭りの日の儀式の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前