『THE ENDLESS』外伝〜光羽編第一章-3
「着いたぞ」
そんなに大きくない建物だ。やはり人の気配は無い。
「剣は…あった、これですね」
ミリアが指差した先には、確かに五振りの剣があった。かなり安っぽい代物だ。
「しかしおかしくないスか?」
「そうだな。盗んだ五振りとも全てここにあるという事は…」
その時、微かに何かの音が聞こえた。
「まずい!全方向にシールド展開!!」
と、前身を何かに強打された。バランスを崩し前に倒れる。
「が…爆破のトラップか…シールドが保たなかった…」
鋭刃とミリアも地に伏している。そこに嬉々とした声が響いた。
「ご苦労さんでーす」
「お前がカジューか…」
「その通り」
「売れも使えもしない剣を盗んだのは、こうして倒しに来た奴を返り討ちにし、レベルを上げるのが目的だな?」
「へぇ、よく解りましたね。それじゃ、止めを刺させて頂きます」
「悪いが、俺は徹底的に準備をする質なんでね」
そう言って俺は立ち上がり、二人に回復魔法を掛けた。
「なっ…動けたのかよ」
「俺はここに入る前に自分に防御膜を張った。残念ながらまだ自分一人にしかできないが…やれっ鋭刃!」
俺の頭の頭を何かが通り過ぎ、カジューの顔が驚きの表情を示した。
「結局覚醒に頼るんだな」
俺が宙から現れた賞金を拾いながら言った。
「仕方ないスよ、さっさとケリつけたかったし」
「ただ…それより止めを鋭刃に頼ったとなると…颯葉が恐いな」