『THE ENDLESS』外伝〜光羽編第一章-2
「何だ?」
「失礼だとは思うんスが…マスターって…尻に敷かれるタイプでしょ?」
「はぁっ!?」
「プッ」
「こら!今そこ笑っただろ!」
いきなり何を言い出すんだこいつは!?
「いやすみません。常日頃ずっと思ってたんスが、なかなか言えなくてモヤモヤしてたんスよ」
「あのなぁ、お前等信じないだろうが告ってきたのは颯葉の方だぞ!」
「えーっ!」
「以外…」
「……仕方がない、語ってやるか…」
三ヶ月前の話。それは突然の事だった。
『付き合って欲しい』
『……どんな意味で?』
いきなりそんな事言われても訳が分からない。俺はそう答えるしかなかった。俺は告白された事は勿論、同年代の女性とろくに会話した事も無かったからだ。その上俺は颯葉の事を知らなかった。
『どんな意味って、男女の交際に決まっているだろう』
『いや、正直俺はあんたの事知らないんだが』
『一年五組立〇〇葉だ。(プライバシー保護の為一部情報を隠しております)』
『そもそもの理由は?』
颯葉はそこで初めて恥ずかしそうな顔をした。
『光(仮名)は△△と△△以外成績が良い(プライバシー保護の為〜以下同文)だろ?丁度そこが噛み合うから…』
『……』
「その後色々あって現在に到る」
「ちょっと待って下さいよ。その“色々”を聞かせて下さいよ」
「しつこいな…しかしまあ、いいだろう」
「何か嬉しそうっスね…」
俺の返事はこうだった。
『好きにしろ』
『では好きにさせてもらう』
その後颯葉は眼鏡をかけろ(俺は視力が低いので目を細める癖があった。それが気に入らなかったらしい)だの髪型に気を付けろ(ほったらかしだった)だのとうるさかったが…
「見つかったらしいぞ」
「え?あ!」
コンクリート片から出た光は五本の束になって同じ方向を指していた。
「まだ明るいから最後までは見えないか…まあいい、角度をみれば大体の位置は判る。その為にここまで上ったんだからな」
「え?そうだったんスか?」
「ああそうだ。これからあの場所へ向かうが、今奴がいる可能性は低い。帰って来る時を待ち、一気に勝負をつける」
俺達は欠片が指し示した場所へ向かった。鋭刃が剣を握り締めるのが見えた。
「少しでも危ないと思ったらすぐに覚醒しろよ」
「分かってますって」
覚醒型のプレイヤーは覚醒しないと多めに経験値が貰える。それで鋭刃が無理をしないか心配だ。