強者-1
「ははは!やっぱやられたか!」
奈々を脅してセフレ化を目論んだ優希が、逆に脅される立場になってしまったと岳斗に報告すると、岳斗は大きく笑った。
「やっぱってどうゆー事っスか…?」
「ん?フフフ、あいつは下手に手を出すと火傷するんだよ。奴は強者なんだ。」
「強者…って言うと…?」
岳斗はニヤリと笑う。
「奈々はなぁ、普通の女じゃねーんだよ。」
「普通の女じゃない…?」
「ああ。脅されて泣き寝入りするようなタマじゃないんだ。だいたい次から次へと脅されてヤラれる事が変だと思わないか?何だかんだ言っても、最後には写真を撮られるのが好きなんだよ、あいつは。」
「どう言う事?イマイチ良く分からないんスけど…」
優希は頭を傾げる。
「あいつは脅されて体を求められ、弄ばれる被虐的な自分が大好きなんだよ、実は、な!」
「えっ…?」
「要するに脅されているような振りをして、初めから脅されて体を弄ばれるよう仕向けてんだよ、奈々は。要するに変態だ。その証拠に付き合ってた時よりも脅してヤッてる今の方が濡れ方がハンパねーし。嫌っ!撮らないでと言いながら、最終的にはしっかり撮らせてるだろ?あれはわざと自分を脅す要因を男に与えてるんだよ。脅される事に興奮する女、それが奈々なんだ。あいつ、付き合ってる時言ってたよ。もし写真が流出しちゃったらアイコラだって言えばいいし♪、ってな、軽く。それに俺の場合、一緒に映ってる写真や動画を共有しつたから、俺が奈々の写真をバラまいたら、逆にやられるって事もあるから怖くて流出させようって気にはならないよな。あいつはしたたかで、そう簡単に自分の写真が流出しないよう、しっかりと予防線を張ってんだよ。だから俺らが楽しんでいると思いきや、逆に俺たちが遊ばれてて、なおかつしっかりと奈々の欲望を叶えてやっちゃってんだよね。」
「マジ…っすか…!?」
「ああ。だから何だかんだ言っても来いと言えば必ず来るだろ?もし優希がまたヤラせろと言えばまた来るはずだぜ?」
「お、俺はもういいっす…。あの女、怖いっす…」
「だろうな。」
岳斗はフフフッと笑った。
「だからイジメ甲斐があんだよ、奈々は。イジメればイジメる程奈々も燃える。だから手放せねーんだよ、あの女は、な!」
優希からすれば危険な女である奈々を楽しんでいる岳斗もかなりヤベーな、優希はそう思った。