強者-3
「なかなかいい部屋じゃないか。なぁ?」
赤プリの部屋に入ると次郎がそう言った。奈々は不安そうに身を小さくして立ち竦んでいた。
「フフフ、ホテルの部屋で見る君はさらに色っぽい。」
次郎は奈々をソファに座らせ隣に座りワインを注いだ。
「じゃあお疲れ。」
「お疲れさまです…」
奈々は次郎のいやらしい視線を感じながらワインを一口飲んだ。
「君はセックスが好きだろ?」
「え…?」
「好きそうな顔してる。それにいやらしい体をしてる。男をムラムラさせる何かを持ってるよな。へへ。」
そう言っ奈々のフトモモに手を置いた。
「止めて下さい…」
手を振り払おうとするが次郎は執拗にフトモモに手を当てて来る。
「いつかヤリたいと思ってたんだよ。」
そう言いながらいやらしくフトモモを撫でてくる。
「んんん…」
困惑する奈々の顔をニヤニヤ見つめている。
「でもさぁ、恩のある俺より先にADにヤラせるのはいただけないなぁ?」
「…」
「ADにヤラせても得はないだろ?俺にヤラせたほうが色々得する事はあるぞ?」
そう言って肩を抱き寄せる。
「い、嫌…」
「ここまで来て嫌とか言ってるなよ?」
次郎は顔を寄せキスをする。
「んんん…!」
眉間に皺を寄せ嫌悪感を表す奈々。しかし執拗に唇を押し付けてくる次郎。奈々の唇を逃さない。そして舌を入れ絡めてくる。奈々はひたすら耐える。
次郎は唇を話すと低い声で言った。
「俺に逆らえば明日から俺の脇には新人が座ってニュースを読む事になるぞ?それでもいいのか?ん?」
「そ、それは…」
「なら俺の言う事を聞くしかないよなぁ?君も馬鹿じゃないだろう。」
「…」
次郎は様子を見ながら奈々の胸に手を当てた。ビクッとしながらも抵抗しないのを見ると、手をゆっくりと動かして胸を揉み始めた。
「フフフ、そうだ。いい心がけだぞ、奈々。」
奈々を呼び捨てにした瞬間から主従関係が生まれたのかも知れない。もし体を許さなければプライム・ゼロの席を失ってしまうかも知れない。奈々は枕営業をしなければならない自分の情けなさにゾクッとするようなスリルを感じた。
「何でもしますから…プライム・ゼロの座はどうか…。プライム・ゼロを失ったら私…」
「フフフ、悪くしないから安心しろよ、奈々。今から俺の事は古舘様と呼べ。いいな、奈々。」
「はい、古舘様…」
次郎は嬉しそうな笑みを浮かべたのであった。