新しい生活-8
「優一の妻と那美はオーストラリアに帰られたようですね」
優一の母親が聞いた。
「ええ 今日立たれましたわ」
「ご苦労様でした 杏」
優一の母親は有栖川財閥の会長だったが、既に実質の権利は優一に譲っている。今はリタイアして老人ホームに暮らしている。
「いえ 私は自分の仕事を下までです」
「あなたが有栖川に来てから何年かしら?」
「丁度30年ですね」
優一の母親がにっこりと微笑んだ。
「あなたが初めて着たときの事を思い出します」
「はい うちは火の車で私はバイトでモデルに来てました。」
「中々脱げなくてねえ」
「はい」
「その後有栖川家でメイドをしてくれっていったのよね」
杏は有栖川家に引き取られる形で借金は肩代わりした。
「あなたも 貴女のご両親も有栖川のためによく働いてくれました」
「いえ当然です 全てはお母様のお陰です 私は有栖川のために将来も頑張る所存です」
「そうねえ ただそろそろ貴女も疲れたでしょ。この保養所で私の身の回りの世話をしてくれない?私の専属メイドとして」
「ええ お母さん有栖川のおばあさまの所に行ってしまうの?」
「私が抜けたらこの家は誰が守るの?」
杏はメイドたちの教育世話だけでなく有栖川の家全体の管理を任されていた。優一も海外に行く事が多くそのルスは杏が守る事になっている。
「そうだよねえ」
「葵、玲奈 貴女たちも早く一人前のメイドになって私の後を継いでちょうだい そしたら私も安心しておばあさまの世話に行けるから」
「しばらくは無理だよね」
玲奈は言う。
葵の携帯が鳴る。
「あ 栄一様からだ じゃ性奉仕にいってまいります」
「あの子あんなに大きな声で」
杏は呆れながら言った。
「栄一様ならいいわよね 葵は 私なんか」
「えあなた もう」
「はい 私の売りはそれしか無いんで」
「はー優一様もまったく」