お持ち帰りされる人妻 (1)-2
男がペニスを引き抜く。シュポンと窮屈そうな音を立て黒光りする肉棒が、四つん這いになった女のアナルから引きずり出された。憐れにもぽっかりペニスの形に拡張され黒い穴を覗かせる女の肛門。真っ赤に充血したその穴を、男は両手で左右からギュッと挟んで閉じて精液を閉じ込める。むっちりした女の尻を掴んで揺らす。
「あぁ、なんか熱いのがどんどん身体の奥に入ってくる……お腹の中に染み込んでくるよぉ……」
体内に取り込まれた夫ではない男の精液をうっとりした表情で受け入れる人妻。
男に促され今度は人妻がいきむ。ヒクヒクと肛門が蠢く。精液の代わりに、汗なのか腸液なのか愛液なのかわからない、いやらしい液体がにじみ出てくる。
ブリュ……プリリ……。
「い、ぃやぁあああ……!」
放屁してしまう女。顔を真赤にして恥辱に耐える。なおもいきむ。
ブブブ……ブリ、プリブリュ……。
カメラは恥じらう女の尻のアップを容赦なく捉える。
ピクンピクン……ヒクヒク、ビクン……。
肛門がグロテスクに蠢き、精液が顔を覗かせた。
「ぁぁあああ、見ないでぇ……」
ブリブリ、ブリ……プリ……ブホッ、ゴプッ、ブブ、ブチュチュゥ……ブホッ……ブチュッブリュリュッ……
排泄音と放屁音を発しながら、白濁液がひり出される。直視するのが苦痛なほど汚らしい肛門排泄映像。
「ねぇ大丈夫? うんち出てない? ぁああでもだめ、見ないでぇ……」
ブリュッ!……ブリュリュッ……! ブヒッ! ブビビッ! ブチュ、チュゥ……チュル……ブビッ!
「ゃだぁ……あ、ああホントに精子だけだよね?……他のもの出てないよね? ぁあああだめだめ、だめ……ぁぁあ……ああ……」
白いはずの精液はわずかに茶色味を帯び、文字通り汚濁液としか表現しようのない物体に成り果て、人妻の肛門から噴出してくる。これほどの美人が大便を排泄する穴から不潔でおぞましい粘液を放屁しながらにひり出している。
ついに女は出せるものをすべて出しきり、はぁ、はぁと肩で息をし汗をにじませる。だらしなく生い茂る陰毛に愛液が伝い、つつと垂れた。
ププ……プ……リュ……
カメラは尻穴から垂れた精液が膣に流れ落ち、ぱっくり開いた小陰唇の花びらに絡みついていくところを克明に捉えている。放っておけば精液は愛液と混ざり肉襞のびらびらを伝って膣へ侵入し、やがて人妻の子宮へと流れ込んでいくだろう。初めてのアナルセックスにのぼせて茫然自失の女は、自らが妊娠の危機にさらされていることにまだ気がついていない。
映像はそこで終了した。
*
「O〜くん! いいもの見せてあげようか?」
いきなり妻が昔のように名字で呼んできた。自分だって今は「Oさん」のくせにいったい何なのだ。ちょっと煩そうな表情で応対しつつも、実は名字で呼ばれるのが嫌いではない私。ゆきがこのように昔の呼び方をしてくるときは恋人気分で甘えたいときや、なにか可愛らしいことを考えているときと大体決まっているからだ。「いいもの見せてあげる」という言い方からして、評判のお店のショートケーキとかクリスマスに欲しいバッグや靴のおねだりとかそんなところか。
「なになに? エッチな下着でも買ったの? 見せて見せて」
「はずれー。正解はこれ。うふふ〜見てごらん」
「おーこれはすごいスマホだね。この曲線の曲がり具合が絶妙。しかも画面が漆黒で美しいね」
「あ、画面消えてた。ごめんごめんこれだよ。これなんだか分かる?」
慌ててスリープ解除しあらためてスマホ画面を見せてくる妻。
画面には愛する妻がダンディーな男とツーショットで写っていた。正直ちょっといい雰囲気の写真で胸がざわめいてしまう。誰だこの男は。
「なな、なんなんだよこれ」
カメラ目線で微笑む写真の中のゆきの笑顔が眩しい。自分以外の男とこんな素敵な笑顔で写真に収まっている妻が妬ましい。
「これね、実はFくんなの」
「あー、Fくん……って、えぇーー! あのFさん?」
「そうなの。うふふ。仲良しでしょ?」
仲良しというかなんというか、知らない人ならカップルとか夫婦と言われても普通に通じるだろう。そういえば昔ゆきの古いPCからこっそり発掘したFとのデート写真で見た顔である。十五年以上前だし髪型もファッションも違っているのですぐ気がつけなかったが、紛れもなくFだ。
「実はね、Fくんに超〜久しぶりに会ったの!」
聞けばなんと今日、ゆきは仕事でFと再会したのだそうだ。
ゆきの今のプロジェクトに関わることになった大手広告代理店の担当者としてFはやってきた。Fの職業については今までなんとなくしかゆきに聞いてなかったが広告マンだったのか。あの会社ならなるほど高収入も納得である。
そしてゆき自身も、先日「美人すぎる広報」として巨大掲示板やSNSで話題になったように――ゆき自身は広報部ではないのだが――現在のプロジェクトにおいて広報的な仕事もこなしている状況にある。実際「美人すぎる広報」のインタビュー記事のあとも、折に触れてメディアに顔を出し、その都度一部ネット民たちに新しいネタと「おかず」を提供し続けているのだ。性的な要素の一切ない真面目な記事ばかりだが、夫の私から見ても、妻の容姿はメディア映えしていると思ったし、清楚なだけにかえって滲み出るフェロモンは、端的に「エロい」と男に思わせる雰囲気があった。