夫 雅樹との世界 5 夫の変化 新しい夫婦の形へ-1
「ねえ、あなた。これって、どういうこと?」
「大丈夫だよ。芽衣。心配しなくていい。
あの二人は、ぼくの部下であり、大切な仲間だ。
つまりそれは、君の仲間でもあるということだ。」
「ねえ、あなた。あの、青井さんっていうお嬢さん、あなたのスマフォの…」
「ああ、よくわかったね。ぼくのモノをアナルに入れたまま笑っていた子だよ。
彼女、なかなかの身体をしている。ああやって服を着ているとわからないけれどね。」
「ってことは、あの小野寺さんっていう人もあのフォルダの中の写真に写っているの?」
「いや、あのフォルダは、彼がまだ参加していなかったときのモノだ。」
「まだ?じゃあ今は?」
「いや、実は、彼は今日が初めてなのさ。」
「今日が、初めて、って、?どういうこと?」
「まあ心配せずに、むしろ、楽しみにしていてほしいな。気を楽にして。」
そう言って雅樹は芽衣にグラスを差し出した。
芽衣は、どうにでもなれという気持ちで、そのグラスを一気に空けた。
「部長。お待たせしました。準備できました。」
程なくして小野寺が、寝室の中から声をかけた。
「よし、いいみたいだ。じゃあ、行こうか。」
雅樹は芽衣の手を取ると、寝室へと導いた。
二人が寝室のドアを開けると、部屋の中は真っ暗だった。
「いいですか?では、、」
小野寺の声が聞こえた。
突然、寝室の照明がついた。
「・・・・」
芽衣の目の前に、壁に掛けられた等身大の鏡が3枚、現れた。
雅樹は少しも驚く様子はなく、
愛依の手を取ったまま、ベッドの前へと進む。
そこには、真っ赤なレース柄のランジェリーを身にまとった優と、
黒のビキニパンツをはいた小野寺の姿があった。
壁に設置された鏡には、
驚いて口を半開きにしたままの芽衣の姿が余すところなく映っていた。
「いかがですか?」
「いい感じだね。あ、そうだ。小野寺君も青井君も、
必要以上の敬語は使用禁止だ。
ここでは、ただの男と女だからね。」
「わかりました。では、雅樹さん、
と呼ばせていただきます。いや、呼びます。」
「じゃあ、部長、じゃなかった、
雅樹さんも、わたしたちのことは、優、誠で。」
「ああ、それがいいね。芽衣も、いいかな?」
「え?はい、いえ、あの。」
「つまり、あなた、も、お前、も、うちの主人が、も、うちのやつが、も、
ここでは無し、ということだ。
一人の男、一人の女、いや、ふたりの、か。
とにかく、そういうことだ。」
「芽衣さん。戸惑うのも無理ないと思うけど、大丈夫。
すぐに慣れるわ。正樹さんはいつもこんな感じだし、
誠さんは初めてだっていうけど、
ほかにもいろいろな交友関係はあったらしいから。ね?そうでしょ?」
「あれ?それは、誰からの情報ですか?」
「さあ、誰からかしら。
でも、否定しないってことは、やっぱりそうなんでしょ?」
「まあ、確かに、女性が複数っていうことは、何回かありましたから。」
「誠さん。言葉遣い。」
「あ、いけね。何度かあったけどね。
ただ、男女ともに、複数、っていうのは初めてなんですよ。」
「大丈夫。ぼくの妻…。いや、芽衣も、こうした形は今日が初めてなんだ。
緊張せず、お互い、楽しい時間を過ごそう。」
「はい。」
「ほら、まだ硬いんですよ。
誠さんは。こっちの方が硬いのは大歓迎なんですけどね。」
優は早くも硬度を増し始めている誠の股間に手をやった。
「芽衣。こんな二人だ。楽しい時間を過ごせそうかい?」
芽衣は返事をしなかった。
しかし、次の瞬間、驚くべき行動に出たのだった。
芽衣はベッドの上にいる優に近づき、
その顔を両手で押さえると、自分の顔をそっと近づけた。
そして、優の唇に自分の唇を重ねたのだ。
それだけではなかった。
愛依の手は、優とキスをしたまま、隣に座っている誠の股間へと伸びた。
そして、その中央に、すでに天井を向いて勃起していた誠のペニスを握りしめた。
優へのキスを続けながら、誠のペニスを扱き始める芽衣の姿。
雅樹はしばらくの間、呆然とその光景を見ていた。
(芽衣がここまで。。吹っ切れたのか?)
芽衣は時々鏡に映る自分の姿に目をやっていた。
会って、わずか15分そこらしかたっていない初対面の男女に、
いきなり抱きつく女。
お互いの素肌を密着させ、自分の唾液を相手の口の中に流し込み始める女。
それが鏡に映った、あの女の姿だった。
一瞬、戸惑いを見せた優も、すぐさまそれに応じ、
優の手は芽衣の胸と股間へと伸びていた。
誠も、少し落ち着いたのか、優と胸と芽衣の胸を交互に愛撫し始める。
雅樹も、そこに加わろうと考えたが、
戸棚からビデオカメラを取り出すと、映画監督さながら、撮影を開始した。
「芽衣。そろそろ、誠のがしゃぶりたくなってきただろ?
優。君もだ。
さあ、ふたりで誠のペニスを舐めて、歓迎ぶりを表してくれ。」
芽衣と優は、互いに顔を見合わせ、悪戯っぽく笑うと、
誠の両側から抱き付いた。
まずは二人して、誠の顔を左右から舐め始め、
奪い合うようにしてキスを繰り返す。
互いの手は誠のペニスを巡って重なり合い、縺れ合い、
やがて、上下、位置を変えながらの愛撫へと移っていった。