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遠恋カレンダー
【女性向け 官能小説】

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11月:酉の市-3


「帰る前の水曜日の夜!空いてるかな?
ごめん。ここしか空けられなかった」

そうメールが来たのは水曜日の2日前で。

「うん!大丈夫!」

私は予定も確認せずそう返事を返した。
もし予定が入っていても
予定なんか全部キャンセルしてやる!

「水曜日か!」

家のカレンダーに○をつけようとしてふと書いてある文字に目が行った。

「水曜日は酉の日、だ」

私は会社のカレンダーを貰って掛けてあるんだけど
建築部門があるうちの会社は縁起を大事にして、大安などの陰陽道とともに十二支も書いてある。

季節は秋から冬に変わろうとしていて、カレンダーは11枚目に入った。
関東の11月の酉の日は寺社で「酉の市」が行われる。

「小川くんと酉の市に行こう」

小さい頃行ったきりの酉の市は会社からほど近い伊勢佐木町でやっていて

「うん。酉の市に行こう!」

そう考えるとワクワクした。

「酉の市に行こう!」
そう電話で話すと、小川くんはやっぱり酉の市の存在を知らなくて
「お祭り。関東では11月の酉の日にお祭りをやるのよ」
「へぇ」
「提灯がずらーっと並んで、特徴は熊手を売る出店がずらーっと並んでね」
「うん」
「その熊手を買いに集まるんだよ」

寒い中でのお祭りは、夏の子供のためのお祭りとは違って
大人のためのお祭りのようで、あの提灯の赤い灯りに子供の頃ワクワクした。




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