他人の手-8
すると岳斗が奈々に近寄って来た。
「こ、来ないで!」
「大丈夫っすよ。触らないから。てか、電話番号教えて下さいよ。」
「い、嫌です…」
「いーじゃん!岳斗さんには内緒で。」
「な、何で番号教えなきゃならないの…?」
「だから言ったじゃないですか。俺は鈴井奈々のファンなんスよ。仲良くなりたいんスよ。」
「…とか言ってどうせ脅すんでしょ?」
「それは置いといて、とにかく仲良くなりたいんすよ…。そしたら奈々さんが岳斗さんのセフレだとか、余計な事黙ってますから。ね?」
「…」
何だかんだ言っても最後には脅して体を求めて来る事は目に見えていた。そう簡単には教えたくなかった。
そんな奈々に優希は本性を出す。
「メンドクセーオンナだな…。じゃあ言い方変えるよ。オマンコ写真流出されたくなかったら番号教えろ。」
「…」
最終的にそう言われてしまうとどうしようもなかった。
「ほら、バラまくぞ?いいのか?」
奈々はそれでも教えたくなかった。なかったが、気付くと自分の番号を口にしていた。
「へへへへ、初めから素直に教えてくれりゃいーんだよ、オマンコちゃん♪」
早速番号を登録し、かけてみる優希。するとバックの中の奈々のスマホのバイブが鳴った。
「嘘じゃないみたいだな。感心感心。じゃあ後でLINE登録しとくよ。」
そう言って奈々から離れた。
「ふー、スッキリした。」
岳斗が帰って来た。
「奈々、もう行かなきゃ遅刻の時間だな?今日はフェラの途中で終わっちゃったから物足りないが、明日はたっぷり楽しませて貰うからな。」
奈々はプイッと顔を背け服を着て無言で出て行った。
岳斗のマンションから出た奈々。背中に何か重いものが乗っかっているかのように足取りが重い。脅されて性的要求をされる事が苦痛でならなかった。事態は確実に悪化している。一体どうしたらこの苦痛から抜け出せるのか考えたが答えは見つからなかった。
そしていつものようにプライム・ゼロの放送をこなす。今日はバイブを入れていないので無難にこなす事が出来た。
「疲れた…。」
奈々はデスクに座りグッタリとした。バックにしまってあるスマホに優希からLINEが来ている事実を認めたくなく、奈々はスマホをチェックしないのであった。