教祖陥落-5
「なぁ、全てを捨て消えれば黙っててやるよ。断れば全てを週刊誌にバラす。さてどうする?」
「どうして手放さなければならないんだ!?」
「いやいや、弱みを握られたお前が悪いんだろ?何故とか聞かれてもなぁ。」
「俺はSKBを手放すつもりはない!」
「てか、そしたら週刊誌にバラして自ずといられなくなる。結果は同じだ。ただし社会的名誉は守られる。ロリコン変態オヤジのレッテルを貼られて一生コソコソ生きるか、それとも大舞台からは消えるが堂々と生きるか、どっちがいいって話で。」
「何でお前なんかに俺の人生を決められなきゃならねーんだ!?」
諦めが悪い秋山を見てイライラが募り我慢出来なくなったのは沙里奈であった。
「あー!もうタラタラやってらんねー!!ねぇオッサン!面倒臭いから私が週刊誌に行こうか?私は秋山康に売春されましたって!いいえ!行く!もう決めた。今から電話する!!」
沙里奈はスマホを取り出して電話をかけようとする。
「ま、待ってくれ!」
「ヤダ。待てない!」
「た、頼む…」
秋山は沙里奈の足元に土下座をした。
「この歳になって…離婚はキツい…。それに2人の娘には知られたくない。絶縁されてしまう…。家族、家族だけは…。分かった。去る。SKBを手放す。明日会見を開く。だからこの事は内緒にしてくれないだろうか…。お願いします。」
秋山は岳斗に向かって深々と頭を下げた。
「分かりゃいいんだよ。二言はないな?」
「ない。」
「よし。ならいい。明日の会見、楽しみにしてるぜ?」
岳斗は沙里奈を連れて事務所を後にした。
「あいつ、大人しく引き下がるのかなぁ?」
沙里奈が聞いた。
「あーゆーのは沙里奈みたいな子供に叱られるのが効くんだよ。ナイス怒りだったぞ!」
「そ、そうかなー?」
「ああ。ご褒美に俺の事務所に入れてやる。で、デビューさせてやるよ。」
「えっ?マジ!?」
「ああ。お前、スター性プンプンするわ。ダイヤモンドの原石だ。売春するよりよっぽどいいだろ?部屋も隣が空いてるからそこ使え。」
「マジ!?えー?岳斗、マジ神!」
「ただし、その口の悪さとか直せよな?」
「直す直す!で、セフレになればいいんでしょ?」
「ん?フフフ、話が早いな、お前は。」
「岳斗にならいくらでもヤラせるし!カッコいいもん!」
「サンキュー。」
翌日、秋山の突然の芸能界引退会見が開かれ、世間は大騒ぎになった。同時に沙里奈が岳斗の隣の部屋に引っ越して来た。早くも岳斗の部屋でセックスする沙里奈。やっている事は大して秋山と変わらない岳斗ではあったが、岳斗は取り敢えず少女に夢を与えた事だけは秋山とは違う点なのであった。