君がくれた永遠-5
君がくれた永遠(下)
がちゃ
私の後ろからドアを開ける音がした。私はゆっくりと振り替えるとそこには白衣の姿がよく似合っている女性が立っていた。
「おはよう朝霧 礼夢さん」
「え、あ……おはようございます…」
「といっても今は昼なんですけどね」
彼女は苦笑いしながら私のほうへと近づいてきた。
「どこか痛い所あるかしら?」
「どこも痛くないです、それより……私はどうして病院にいるの?」
「……あなたは怪我をして病院にいるの」
いまいち彼女の言葉には理解するのに苦しんだ。何か隠しておきたいことでもあったのだろうか?
「私はこのあと用事あるから出るわね。何かあればそこの呼び出しボタンを押して頂戴」
彼女は振り向き部屋を出ていってしまった。
「もう……何か隠してる感じがするー」
ぶつぶつと愚痴を呟く。
私はこの部屋の空気に落ち着かなく屋上へと向かった。そこは白銀の世界が広がっていた。
「寒いぃー、どうしてこんなに寒いのよ」
リン……
私の首元で変な音がした。手を首元へ運ぶとそこには一つのアクセサリーがぶら下がっていた。
「あれ?このアクセサリーって……」
私の中で記憶が加速する。真っ白な世界……、一本の腕……そして
「晶奈ちゃん……」
晶奈ちゃんの笑顔……。
私は気付いたら病院を走っていた。無我夢中で誰かに注意されようが走り続けた。そして私が辿り着いた先は……晶奈の家だった。
そこには両親が泣いている姿があった。
「あ、あの……」
「礼夢ちゃん……」
父親は私にこう告げた。
「もう君の顔は見たくないんだ……帰ってくれ」
「え?」
「もう……帰ってくれ」
涙声になりながらも晶奈の父は必死に言った。
「最後に晶奈ちゃんと会わせてください……」
「………」
「晶奈ちゃんは!?」
なぜか私の声は高くなる。不安が私を襲う。
「晶奈はもう……いないんだ」
「い、いないって……」
「あなたが殺したのよ!!晶奈はあなたをかばって死んだのよ!!あんたなんか……死ねばいいのよ!!!」
突如晶奈の母が叫んだ。こんな姿初めて見た礼夢にとってどれほどこの両親に不幸をもたらしたのかわかった気がした。