リベンジ・ポルノ-3
そんなショックを受けている奈々の顔を楽しそうに見つめながら岳斗は言葉を続けた。
「でも何でやねんけど奴が大人しく引き下がったと思う?」
「…」
「フフフ、俺の事務所もそんなスキャンダルが出たら大変だからな。奴には誠心誠意を持ってしっかりと対応させて貰ったよ。お前のエロエロ写真やハメハメ動画の値段、いくらだってと思う?」
「…」
「これだよ。」
人差し指を立てる岳斗。
「百万…」
百万でも多額だと驚いたが、岳斗は首を横に振った。
「い、一千万…!?」
まさか自分の裸ごときがそこまでの対価があるとは思えなかった。しかし岳斗は更に首を横に振った。
「一億だよ、一億。あの野郎、調子に乗って一億を要求して来たんだよ。」
「い、一億…!?まさか払わなかったんでしょうね…?」
「お前の裸で一億は高いよな。でも俺が受けるダメージは一億どこじゃ済まないんだよ。事務所からはお前と別れろと強く言われたが、感謝しろよ?俺はお前を捨てなかったんだぞ?一億払って、な。」
「…」
まさかそんな事があってなどと知らなかった。さすがに複雑な気持ちになる。自分の尻拭いに一億もの大金が動いてたなどと知り言葉も出なかった。
「まぁ金だけじゃ更に調子に乗られる可能性は十分にあったから、他に色々対処したけどな。芸能界の黒い部分を存分に使ってな。だから奴はお前の前に現れる事はなくなったんだ。知らなかっただろう?フフフ…」
勝ち誇ったような顔が苛つく。しかし言葉は飲み込むしかないのが現実であった。
「でもまぁ奴にはお前がエロ画やハメ動画を撮らせてくれる女だって教えて貰った訳だし感謝してるよ。しかしホント、面白いように撮らせてくれたよな、お前。パソコンに入りきれないぐらい、な?ククク。」
好きな男の願いだからと思い撮らせていた気持ちを踏み躙られた気がして腹が立った。そして改めて自分の愚かさを知った。その愚かさを思い知らされる言葉を岳斗が言った。
「お前の旦那はアナウンサーだろう?俺みたいに一億、払えるのかなぁ?」
陰湿に笑う岳斗に奈々の顔は強張った。
「ま、まさか…」
「ククク…!まぁ結婚してしまったからには仕方ない。それは祝福してやるよ。でもまぁその幸せを壊されたくないだろう?へへへ、お前もニュースで扱った事あったよな。こーゆーの。そう、リベンジ・ポルノって言うんだよな?」
「止めて…信宏さんには…」
「安心しろよ。一億なんてはした金、俺には必要ないし意味がないからな。俺が欲しいのは、お前のカラダだよ、カラダ…。ククク、逃げる訳には行かないよなー?俺から。」
「…」
岳斗と別れて信宏と新たな幸せを掴むはずだった。しかしその幸せを守る為には同じぐらいの不幸を背負わないと成り立たない事が現実的な事として奈々の前に立ちはだかるのであった。
5年前、奈々は報道番組で原稿を読んだ。
「次のニュースです。みなさん、リベンジ・ポルノと言う言葉を聞いた事がありますでしょうか。」
その時、まさか自分の身にリベンジ・ポルノが降りかかって来ようとは思ってもいなかった。
奈々は、ピルを差し出され、中出しされる事を受け入れざるを得なかった。自分の膣の中に射精し、気持ち良さそうな顔で見つめてくる岳斗に奈々は顔を背けずにはいられなかったのであった。