本番に向けて 合宿1日目 その2-3
「気が付いた?」
「うん。」
「だろ?」
「うん。ジュンコの……。相手は…ただの相手じゃない。」
「そう。俺じゃダメなんだ。俺じゃいけないんだよ。」
愛依は旬の顔をじっと見つめたまま動かなかった。
いや、動けなった。
「健君……だ。。。」
「ああ。だから。。。」
「わかった。みなまで言うな。大丈夫。何とかする。」
「わかってくれたのか?」
「わかった。わたしがバカだった。
わたしが気づいてなきゃいけなかった。
大切なジュンコのことなのに。
すっかり忘れていた。」
「いや、愛依ちゃんも、いろいろと大変な……。」
「いや。それはそれ、これはこれだ。
わたしを守ってきてくれたジュンコの、大切な大切な初めての相手を、
旬なんかに…あっつ、ごめん。
あの、そういう意味じゃなくて、あ、ごめん。」
「いいって、わかってるって。」
「ホント、ごめん。
うん。何とかする。部屋割り、変更して、みんなに頼んでみる。」
「あのさ。予定の方にも少し手を加えれば、
自然な形になるんじゃないかなあ。」
「えっ?」
「ちょっと、さっきの模造し、貸して。」
旬は愛依から模造紙を受け取ると、マジックである部分に修正を加えた。
「どう?これだったら、違和感、なくなくねえ?」
「あ、ホントだ。これだったら、さっきのよりもいいかも。
さっきの部屋割が、1時間の限定だったことの説明もつくし。
こっちの方が、盛り上がるかも。
あ、だったら、さっきまでの部屋割りを……。
ここ、この3日目と入れ替えれば……。
やった。これでいい。
いや、これがいい。
旬君、凄い。ありがと。」
「いや。ぼくも、気になり始めたら、
せっかくぼくに好意を持ってくれたジュンコと一緒にいるのが苦しくてさ。
いや、ぼくよりも、ジュンコが、辛いだろうなって思ってさ。」
「旬君。あなた、いい人ね。見直した。」
「あは、愛依ちゃんにまで言い寄られちまった。
やった〜。モテキ到来だ〜。」
「じゃ、愛依ちゃん。ぼく、みんなと合流するね。」
「ありがと。」
ホールを出て行く旬に頭を下げると、
愛依は旬が修正した個所を、もう1枚の模造紙に清書し始めた。
ふと気配を感じて顔を上げると、そこには倫也が立っていた。
「倫也君……。」
「どうにかなったみたいだね。愛依ちゃん。」
「気にしてくれていたの?」
「ああ。たとえ1時間だったとはいえ、
愛依ちゃんは、今現在、ぼくの一番大事な人だからね。」
「1時間も一緒にいられなかった。」
「確かにそうだ。」
愛依はもう作業に戻っていた。
倫也は傍に立って、愛依の様子をじっと見ていた。
(愛依ちゃんてホントに熱い子なんだなあ。教室にいた時には、全く気付かなかった。)
特別合宿 部屋割り 第1日目から第5日目まで
(1日は、13:00〜翌13:00の24時間とします。)
201号室 ツイン 加藤 健 美原ジュンコ ↓
202号室 ツイン 菅田 将暉 中野 愛依 ↓
203号室 ツイン 志尊 旬 松 たか代 ↓
204号室 ツイン 中町倫也 広瀬 鈴 ↓
205号室 ツイン 横須賀流星 白木 華 →201へ
2日目以降、部屋割りは毎日ローテーションします。
(男子は部屋移動なし。女子が下に移動。 )
301号室 トリプル↗ 6日目からトリプルも使用。
302号室 トリプル↗ 部屋割りは新たに決めて
303号室 トリプル↗ 5日目中に発表します。
401号室 大広間
501号室 パーティールーム 9日目に使用
合宿実行委員長 長野愛依
第1日目から5日目まで メインテーマ:互いを知る
予定
13:00〜 昼食 A(1F レストランにてカレーライス)
14:00〜 部屋ミーティング B(各室・部屋間の移動厳禁)
16:00〜 全体ミーティング B(4F 401号室 大広間)
16:30〜 入浴 О(1F 見晴らしの湯使用)
18:00〜 夕食 B(1F レストランにてバイキング形式)
19;30〜 キャンプファイヤーB(野外ファイヤー場
雨天時は4F 401号室 大広間)
21:00〜 就寝準備 B(各室 部屋移動禁止)
21:30 消灯 О(各室 施錠確認)
23:00〜 就寝 О(翌日の行動を考えて厳守)
7:00 起床 B
8:00〜 朝食 A(1F レストランにて)
9:00〜 プライベートタイムF(各室 個人レッスン)
3Fの使用も可。
11:00〜 部屋ミーテイング F(各室 部屋移動禁止)
12:00〜 お名残タイム F(各室 部屋移動禁止)
13:00〜 昼食 A(1F レストランにて)
※ 6日目以降は全体ミーティングの時間が多くなります。
5日間で、できるだけみんなのことを知りましょう。ファイト!
合宿実行委員長 長野愛依