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芽衣の秘密
【複数プレイ 官能小説】

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別章2 真奈美の過去とつながる 芽衣の今-1

真奈美は、流れる涙をぬぐいもせずに、話し始めた。

幼いころに覗き見てしまった父と母の姿。
小4の時の、同級生の男の子とその家族との異常な体験。
中学時代、高校時代の、男たちとの乱れた関係。

そして、真奈美は何冊かの日記帳を取り出し、芽衣に渡した。

「真奈美が言いたいこと、ここに書いてある。
 字は下手だし、文章もおかしいとこ、一杯あるけど。
 小さいころのことも、書いてある。最初のは小4かな。」

真奈美は芽衣の目を見ながら、夢中で話している。
今、伝えなければ、もう伝えるチャンスはない、そんな目だった。

「おうちに帰って、読んでみて。
 自叙伝っていうんだっけ?こういうの。」
ちょっと照れたように、真奈美が笑った。

「芽衣ちゃんが入院してる時に、
 真奈美ね、芽衣ちゃんのお母さんに会ったんだよ。
 病院の先生にも。
 で、この日記、見せたんだ。
 先生にも、いろいろお話聞かれたし。
 そしたら、いつか芽衣ちゃんにも読んでもらおうねって。だから。。。」


芽衣は家に帰ると、食事もそこそこに自分の部屋へ入った。
カバンを開き、真奈美から受け取ったばかりの日記帳を手に取る。
それぞれの表紙には【真奈美の日記・だれも見るな】と書いてあった。
その文字のたどたどしさから、
その中身がいつ頃書かれたものかを察することができた。

芽衣はまず、一番気になっている
「あの日」の記述について探した。
日記は毎日欠かさず書かれているわけではないようで、
ページによっては数週間空いているところもあった。

20〇×ねん、8月。。。日付をたどっていくと、
あの日の3日前の日記を見つけた。

芽衣は読み始める前に、もう一度自分に問うた。
(何が書いてあっても、自分を見失わない。
 一番大切なのは過去じゃない。未来なのだから。)と。

ゆっくりと文字を追う。
少し舌っ足らずで話す真奈美の声が聞こえてくるようだった。

〇月×日
やった〜。今日も勝った。
これで、じゅん決勝しんしつ!
みんな、喜んでた。
試合のあとコーチによばれた。
真奈美、またなにかやっちゃったかと思ったら、
めいちゃんのことだった。

めいちゃんもしたいんだって。
真奈美みたいに、セクス。
でもゆう気が出ないでこまってるんだって。
あんなにたのしいになあ。

それでめいちゃんの前で見せてあげようって言われた。
たのしのがわかたら、めいちゃんも、
セクスだいすきになるから。
よし、がばるぞ。
めいちゃんがしたくなるように真奈美はがばるのだ!!


〇月×日
あ〜あ。負けちゃった。
でもかなしいことバカじゃない。
いいこともあたよ。
めいちゃんのまえで見せてあげた。
はじめはチーちゃんとこわがてたけど、
チーちゃんがたのしくなてきたら、
めいちゃんもみんなとすることができてとてもよろこでた。
あ、コーチも3年のせぱいも。

真奈美だいせいこう!
また、とし君がよろこんでくれそうなことがことができたよ。



芽衣は、日記帳を閉じた。
涙が溢れてくる。

真奈美の優しさだったんだ。
真奈美は、わたしのことを心配して、
あの日、わたしの目の前で抱かれてたんだ。

男たちは許せない。純真な真奈美をだまし、利用したのだから。
けれど、それよりも真奈美が可哀そうだ。
芽衣はこれ以上読み進めるをためらった。

けれど、真奈美が別れ際に言った言葉が芽衣の心には突き刺さっていた。
「芽衣ちゃん。最後まで、読んでね。
 最初から、全部。
 真奈美ね。全部知っててほしくなったんだ。
 芽衣ちゃんには、わたしのこと、わたしがしてきたことを。
 だから全部読んでね。」

「わかった。全部読むよ。少し時間はかかると思うけれど。」
「ありがと。あ、読んでも、真奈美のこと、嫌いにならないでいてね。
 ずっと友達でいてね。」
「うん。わかってる。」
真奈美はにっこり笑うと、駅の階段を駆け上がっていった。



脳裏に浮かんだ真奈美の笑顔に励まされ、
芽衣は再び日記帳を開いた。
3冊ある中で一番古そうな、表紙が汚れている日記を開く。
真奈美がまだ小学生の頃のものだ。



最初のページは4年生の4月だった。

4月〇日
こくごのべんきょうで、せんせいがいった。
日記を書くといいって。だから、お母さんにたのんで、これおかてもらいました。
がばるぞ。

〇月〇日  ・・・
〇月×日  ・・・

どのページにも生き生きとした真奈美の顔があった。
後ろ向きな真奈美はどこにもいなかった。

日記を読み進める芽衣の目の前には、
キラキラした笑顔の小4の真奈美がいた。
やがて芽衣は、真奈美が体験した忌まわしい過去につながる日の日記にたどり着いた。

6月〇日
きょう、てんこうせいがきた。名前は、さいとうとしあきくん。
おとなしそうな男の子だ。
中よくなれるかな。なりたいな。なろう。なるぞ。


7月〇日
あしたから、たけんがくしゅうだ。
おとまりだ。みんなといっしょだ。
おしっこがしんぱい。でも、だいじょうぶ。がばるぞ!!


7月×日。
ただいま〜。
すご〜く、すご〜〜〜〜く、たのしかた!!!!
みんなとおふろも人ったよ。
夜も、たくさんはなしたよ。
あと、さいとうとしあきくんと、お友だちになりました。
たのしこともたくさんしたよ。ふたりで。
でも、ちょとしんぱいもできた。
びょうきかもだって。


7月〇日
あしたはとしあきくんが真奈美のこと、なおしてくれるって。
やくそくしちゃった。
やった〜。まなみはしあわせだぞ。


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