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芽衣の秘密
【複数プレイ 官能小説】

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別章2 真奈美の過去とつながる 芽衣の今-2

この先の日付は飛び飛びになっていたが、
書かれた内容は、全てとし君との話題ばかりだった。

この後、真奈美は、その行為が、
実際、どのような意味を持つ行為なのかを、
全く理解することなく、
いや、少しも疑うことなく、

【友達の、やさしい、とし君】に悪戯され、
犯され、
さらにその父親にも犯され、

やがて敏明の姉や母親も交えた、
アブノーマルな世界に引きずり込まれたのだ。

そのすべての歩みが、その日記には綴られていた。


敏明をめぐる、真奈美の行動のすべてが、
敏明を思う真奈美の優しさから来たものだった。

真奈美は、敏明の行動のすべてが、
自分に対する優しさからきているのだと思い込んでいた。

何の疑いもなく、敏明の優しさだと信じ切っていた真奈美の喜びが、
真奈美の日記には綴られていた。



真奈美が何を、どんなふうに経験してきたのか、
その経験をどうとらえ、考えてきたのか、
真奈美がどう生きて来たのか、

芽衣には少しずつ、わかってきた。


そして、おそらくは、
そうした真奈美の考え方を形成したであろう、
真奈美の母親が、
父親が、

真奈美をどのように受け止め、
どのように愛し、
どのように育ててきたかを
ほんの少しだけ垣間見ることができた気がする。


真奈美の両親は、
真奈美が中学生のころに亡くなったという。
交通事故だったそうだ。
真奈美も、その車に同乗していたが、
奇跡的にかすり傷で済んだ。
真奈美は親戚の家に引き取られ、
やがて、高校生活を送り始める。


真奈美の、高校時代の、
自由奔放な生き方や、
他人も自分も否定しない考え方や、
誰に対しても優しく接する姿は、
おそらく両親が育んだものだっただろう。

得意なものを伸ばす。
それがどんなに些細なものであても、
人からは一風変わったことのように見えることであっても、
それを自分の個性としてとらえ、
伸ばしていく。
そうしてこそ、誰もが輝くことができるのだ。

真奈美の両親は、
真奈美に知恵の遅れがあることがわかってからずっと、
真奈美のほんの些細な成功を絶賛し、
支え、伸ばしてあげてきたのだ。

両親の死によって、
真奈美は、物事の良し悪しを正しく教えてくれる人を失った。


そのために、ある時期に知り合った男たちの言葉に騙され、
生き方を誤ったのだ。

「真奈美の得意なことは、
 セックスだろ?それって、真奈美の個性だよ。
 もっともっと、伸ばさなくちゃ。
 それに、真奈美とセックスした人は、
 みんな喜んでくれるだろ?」

「人に喜んでもらえて、真奈美ちゃんも気持ちがよくて。
 こんなに素晴らしいことって、ないじゃん。」

「ねえ、真奈美ちゃん。
 もっと、個性、伸ばそうよ。
 この人たちも、協力してくれるって。」

「真奈美ちゃん。この人も、セックスしたいんだって。
 困ってるんだってさ。セックスできる相手がいなくて。
 真奈美ちゃんがしてくれたら、お小遣いもくれるってさ。」

真奈美は、おそらく、
「ありがとう。みんな、優しいね。」と、
笑顔で答え、男たちの言葉に従って言ったのだ。

「また、とし君が喜んでくれる。」と思いながら。



芽衣は2日間、ほとんど部屋にこもって真奈美の日記を読み終えた。

(真奈美ちゃんに会いたい。)

そう思って、芽衣は真奈美に連絡を取ろうと、スマフォを取った。

その時、スマホに電話の着信があった。
(電話なんて、珍しいな。誰だろう。。)

電話の主は、芽衣の主治医だった。

「あ、先生。お久しぶりです。先日は、、」

「芽衣ちゃん。
 落ち着いて聞いてね。
 さっき、真奈美ちゃんが、、、亡くなった。
 車にはねられて、ぼくの病院に運ばれてきたが、、、
 どうしようもなかったそうだ。
 芽衣ちゃん?聞いてる?・・・・・」


高校3年の夏、
芽衣は、かけがえのない、
ただただ優しかった友を失った。







 【幼少期から高校生までの真奈美について興味のある方は、
      ぜひ、『真奈美の性春』をお読みください。】




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