12-1
久しぶりに舞から連絡が来た。叔父が仕事の為に一度赴任先へ戻ったのだ。僕は身の周りの最小限のものだけをかき集め、家を出た。
「あ……」
玄関をでると、ちょうど紗奈も鍵をかけるところだった。男に会うのだろう。日頃よりちゃんとした女子らしい可愛らしい服装とメイクだ。
「ごめんなさい……今日は本当に急いでるから…だからその…」
「こっちも暇じゃないんだ、今日は許してやる」
僕があっさり見逃したことに驚いたのか、紗奈は彼女に振り向きもしない僕を唖然とした様子で見送った。
買ったばかりで慣れない車を運転し、舞のもとへ急いだ。彼女の家に着いたのはちょうど昼時だった。なるべく舞が気を遣わなくていいように、途中のパン屋で昼食になるものを買って行った。
僕がチャイムを鳴らすと、小さな赤ん坊を抱いた舞が出迎えてくれた。生後2ヶ月で少しずつ首が座り始めたばかりの男の子は、目元が舞に似ていた。僕が愛している人の子供というだけで、特別な存在のように思えた。
「隆君が抱っこしても泣かないね。子供の扱いに慣れてる?いろんな人妻を抱いてるから隠し子の1人くらいいたりして」
「赤ちゃん抱いたの初めてだよ。泣かずにいてくれるのは有り難いけど、僕の方が慣れてないから怖いね」
おそるおそる抱いた子供を舞に渡し、買ってきたサンドイッチや調理パンをお皿に移して昼食の用意をした。その間に赤ん坊は泣いてぐずり、舞は僕の目の前で授乳をし、満足した様子の赤ん坊はすやすやと眠った。
舞と2人で赤ん坊の寝顔を見ながら昼食を食べ、出産後の出来事を聞いていると、まるで僕たちは本当の夫婦で、単身赴任先から帰ってきて僕がいない間の話を愛妻に聞かされている、そんな錯覚に襲われた。
わずか3ヶ月に満たない時間だったが僕たちにはとても長く、舞の話は尽きなかった。
「元気そうで安心したよ」
「私のこと忘れて他の女の子と付き合ったりしてなかった?」
「忘れるわけがないでしょ」
どちらともなく手が触れ、僕は舞を膝にのせると抱き締め、首筋に顔を埋めて鼻を擦り付けた。
「それくすぐったいよ」
舞の声には答えず、思いきり舞の匂いを吸い込んだ。不思議な匂いだ。とても好きな匂いで、嗅いでいると癒される。それなのに、どうしようもないくらいに欲望を掻き立てられそうになる。
束の間だったけど愛し合った女性の匂い、一度でも味わってしまったが為に苦しみ続けなければならない。だけど僕の心の一部となり、絶対に忘れ去ることができない匂い…。
「隆君…」
僕は顔を埋めたまま答えなかった。答えられなかったのだ。顔を上げて舞を見つめ、何か言葉を発したなら、確実に泣いていたであろうから。舞もそれを悟ったのか、それ以上呼びかけたりせず、優しく抱き締めて頭を撫でてくれた。
どのくらいそうしていただろうか、赤ん坊が目を覚まして泣き始めた。その母を求める泣き声でスイッチが切り替わったかのように、舞は母の顔になった。
舞が母乳を飲ませたあと、舞に教わりながらオムツを変えてみた。壊れそうなほど小さな身体に、驚くほど小さなオムツを着けようとし、おしっこをかけられた。笑いながら僕の手を拭き、新しいオムツを用意してくれた舞の顔は、これまで見たことがないほど幸せに満ちた表情で、眩しい程に美しかった。
僕と舞はその夜、同じ布団で抱き合って寝た…とは言っても、行為をしたわけではない。ベビーベッドで眠る赤ん坊がいつ目覚めてもいいように子供部屋に布団を敷き、お互い裸で抱き合った。
出産したばかりの舞を抱くのは申し訳ない気がした。まだ挿入したら痛いんじゃないかと思ったからだ。それに、毎日24時間問わず乳児の世話をして疲れているのだから、僕の肉欲に振り回すわけにはいかないと思った。
だけど舞は、僕の目の前で一糸纏わぬ姿になり、僕に絡み付き、惑わせた。我慢できずに勃起した僕を脱がせ、舞は唇と舌を僕の身体に這わせた。
舌を絡ませ、鼻を甘噛みし、頬、首筋、鎖骨、脇、乳首、胸、腹、臍、腰、太股、ふくらはぎ、足の指へと順に舌を這わせた。
舞の焦らすような、フェザータッチに近い舌遣いで僕は我慢汁を滴らせ、腰を蠢かせ、息を震わせた。耐えきれずに舞の肩に手を触れると、舞は69の態勢で僕のペ○スを頬張り、首を前後させた。僕の目の前で舞のワレメは開き、濡れていた。陰核を口に含んで舌先で転がすと、舞は僕のものを咥えたまま、んんっと呻いたがフェラをやめなかった。
「舞…舞っ……」
これでもかという程の量を舞の口の中に注ぎ込み、舞は一滴もこぼさずにきれいに飲み干した。
舞が僕から離れたと同時に、赤ん坊が泣き出した。舞は何事もなかったかのように赤ん坊のオムツを替えると抱き上げて授乳をした。
赤ん坊は1時間程ぐずって泣き続けたが、舞の優しい子守唄で落ち着いたように眠った。
「こら……んっ…あ、そこだめっ…」
ベビーベッドの柵を上げたところで、僕は後ろから舞を抱き締め、そのまましゃがんで足を開かせた。舞は柵に手をついたまま抵抗せず、僕はお尻の割れ目を開いて肛門に舌を這わせた。
「こっちも僕のものにするって言ったでしょ」
「言ったけど…んんっ何も今じゃなくたって……あぁ…」
舞の尻を突き出させ、アナルに舌をねじ込んで舐めながら、陰核を指先で転がした。
「隆君…私もう逝きそう………あはぁぁぁ……んっんんんんっ!」
膝がガクガク震え、舞はオーガズムを迎えた。僕と舞はそのまま抱き合って寝た。時々赤ん坊の泣き声に舞は駆り出されたが、授乳が終わると僕の元に戻り、甘えた表情で僕の腕に絡み付いて眠った。