揺れる蕾(ロリータ・コンプレックス)-6
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立ったままの悠菜の正面で跪いた。二人の目線はちょうど同じくらいの高さにある。赤いプリーツスカートのホックを外し、フワっと緩んだところでファスナーを下ろし切ると、それは自然に床に落ちた。習字にはよく分からないキャラクターの赤い線画がちりばめられた、ピンクのパンティが現れた。
「可愛いパンツだね」
習字がそう言うと、悠菜ははにかむような笑顔を見せた。
「でも、脱がしちゃうよ? いいの?」
コク、っと頷き、悠菜は目を伏せた。だが、小さなパンティの腰の部分に手を掛けると、彼女は小さく身を捩って抵抗を見せた。自分の方から脱がせてと言っておきながら、いざ脱がされそうになると、やはり恥ずかしいのだ。そんな悠菜を、習字は可愛いと思った。しかし、いちど脱がすと決めて手を掛けたパンティを、少々抵抗されたからといってそのままにしておくことなど、もはや習字には不可能だった。いやむしろ、恥じらいを示されたことで彼の嗜虐心は刺激され、呼吸が大きく乱れて鼻息がはっきりと聞こえるほどになった。習字はやや強引に、しかしゆっくりと、可愛らしいパンティを捲り下ろし始めた。結菜が身を固くする。それでも習字の手は止まらない。
程なく鼠径部が見え始め、それが中央で出会う頃、そこに一本の亀裂が縦に走っているのが見えた。黒い翳りは全く存在しないので、それは剥き出しになっているが、奥の方まではどうなっているのかよく分からない。
モジモジと寄せられている肉付きの薄い太股をパンティが通過しようとした時、悠菜は思いつめたような目で習字の手を押さえた。顔がこわばっている。それでも、パンティは淀みなく下ろされていく。
膝の下あたりまで来たところで手を放すと、それはスカートと同様にパサリ、と絨毯に落ちた。残っているのは、白いソックスだけだ。それもずり下ろし、片方ずつ抜き取ると、悠菜は完全に何も身につけていない状態になった。
「……お兄ちゃん、私、可愛い?」
恥ずかしげに頬を染め、自分の体を抱いて少し横を向いた悠菜の体を隅々まで観察しながら、習字は震える声で優しく告げた。
「可愛いよ、最高に可愛い」
その言葉に偽りはなかった。しかしそれは、九歳の子供の幼さに対するだけの意味だけではなかった。習字は、未完成極まる悠菜の裸体に、禁断の情欲をグツグツと滾らせ始めていたのだ。
「さあ、マッサージを始めようか」
声が掠れてしまったが、気にしている余裕はなかった。もう、止まれない。右手を伸ばす。全く傷(いた)んでいないサラサラの黒髪に触れる。悠菜はくすぐったそうに首を縮める。髪は、夕べと同様にシャンプーの香りがしたが、それに加えて若干の汗の匂いがした。それは透明感のある酸味を含んだ甘いものであり、胸いっぱいに吸い込むと、目の裏側に軽い痺れを感じた。
手のひらを頬に当てる。朱に染まっているそこはほんのりと温かかったが、触れているのがはっきりと認識できないほどに柔らかかった。唇に指を這わせた。ぷっくりと膨らんだそこは十分に潤い、しっかりとした弾力をもって指を押し返してくる。少し開かせて指を入れた。綺麗に並んだ小さな歯に触れる。それも開かせて更に侵入すると、じっとりと濡れた舌が指先に触れた。しばし舌の感触を楽しむうち、悠菜の眉根が小さく寄り、息が乱れ始めた。彼女自身、何故そうなるのかは理解出来ないだろうが、未完成な体ながらに目覚めかけているのだ、ほんのりと薄い、女の愉悦が。
唇からゆっくりと引き抜いた指を、細い首筋に這わせる。唾液が筋を描く。指先は華奢な鎖骨を通って肩を撫で、胸元へと至る。その先には、ほんのりと色づいただけの、小さな小さな蕾がポツンと佇んでいる。その周囲をゆっくりと指先が巡るうち、彼女は不思議そうな表情を浮かべ、クリっと大きな瞳をぼんやりと潤ませた。その目を見つめながら顔を近づけていく。蕾の先端を指が掠める。小さな唇が僅かに開く。それを習字の唇が塞いだ。悠菜が自然に瞼を閉じる。
「ん……」
合わせた唇の隙間から、幼くも熱い吐息が漏れた。
習字は軽く吸いながら、ふっくらと柔らかい肉の感触を味わうように左右に唇を這わせていく。擦れ合う唇を通じて、二人の唾液が僅かに交換された。
ほとんど直線的なウェストから腰の部分を両方の手のひらで撫で下ろし、鼠径部に指先を這わせて中央に向かう。もちろんそこはツルツルで、産毛しか生えていない。中央に亀裂の走った小さな丘に到達すると、悠菜は少し太股を寄せた。亀裂の入り口に指先を当てて、そのまま奥へ。悠菜の顔がゆがみ、瞼が開かれた。習字はそこで唇を離した。
「悠菜ちゃん、ソファにうつぶせになって」
彼女は一瞬の逡巡の後にソファに上がり、無言のままでうつぶせになった。習字は彼女の両足首を握り、少しだけ左右に開かせた。そして手のひらを、肉付きの薄い足の肌に這い上がらせていった。ふくらはぎを越え、太股の裏側をゆっくりと上昇する。そこにある二つの膨らみは、まだまだ小さく固いものだったが、プリっと形良く並んでいた。
産毛のみに触れるぐらいの力加減で手のひらをそこに這いまわらせる。悠菜の両足に力が入っていく。しっとりときめ細やかなツルンとした肌の感触は、九歳の子供ならではのものだろうか。
まだまだ固い膨らみに唇をそっと触れさせて、習字はドロリと舌を出して唾液を塗り付けた。悠菜は最初、くすぐったそうにしているだけだったが、その表情は徐々に変わっていった。笑った様に頬が緩み、目が虚ろとなり、足が脱力した。その変化を感じ取りつつ、習字は軽く歯を立てた。悠菜は首を上げて振り返ったが、何も言わなかった。