第6章 俺は中村さんとセックス、ヤッた!-4
照れてしまった涼子だったが、今こそがチャンスだったのにと悔やんだ。もし今照れずに「オッケー♪」と軽く返せたなら、もうあれこれ悩む必要はなかったはずだ。また絶好のチャンスを逃してしまった、そう思った。
隆文にとってはそう簡単にオッケーを貰えるとは思っていない。しかしいい雰囲気になって来たし悪くない流れだと思っていた。
(なかなかいい感じになって来たぞ!愛美ちゃん、ありがとう♪)
隆文がヤリたい宣言など謝罪したのは愛美からの助言であった。
「岸田さんは女心を分かってるのに、どうして涼子さんにいきなりヤリたいだなんて言っちゃったんですかー?あんな大勢の前であんな事言われて嬉しい女いませんよ。もし抱かれてもいいかなって思ってもみんなの前で堂々と不倫しますって言える訳ないじゃないですかー。だからそこを誠実に謝ってから、いかに岸田さんが涼子さんの事を好きかってのを伝えるべきです。2人きりのトコで。涼子さんも拒絶してる訳じゃないから、きっと伝わればオッケーするはずですよ?だからとにかく2人きりになるチャンスがあったらそうした方がいいですよ?」
そう言われた。確かにな…、そう考えた隆文は早速訪れたチャンスで使ってみたのであった。
(ヤレるぞ、こりゃ!今夜ヤレる!いよいよ中村さんとセックスができるぞ!!)
俄然力が湧いて来た。視線を落とすと大好きなフトモモがチラリと見えた。
(食える…、中村さんを食える…。あのフトモモを触れるぞ!)
もはや期待しかなかった。その為にはあと少し焦らず落としていく必要がある。逸る気持ちを抑える隆文は、実際こんなもんで、本当に大した事のない男なのであった。
「中村さんてクリーンなイメージがあるから、エッチ系の話しちゃいけないような気がして、なかなか言えなかったんだよね。」
「えー?私、そんなクリーンじゃないですよー?若い子がそんな話せてる時はドキドキしながら聞いてるし、毛嫌いしてる訳じゃないです。ただ知識がないから何言っていいか困っちゃいますけど…」
「そうなの?」
「ハイ。だから若い子は色んな事知ってて凄いなーって。私なんかより全然色んな事知ってるし、経験豊富で羨ましくなっちゃう。」
「俺らの時代より全然進んでるからね。」
「ホントですよね。参っちゃいます。」
「でも、色んな知識があって経験豊富な子とするからって満たされる訳じゃないと思うんだよね。好きになった人とだったらただ抱き合うだけで、それ以上に満たされるもんなんじゃないかなって。した後に満たされるのは体じゃなくて、最終的に心なんじゃないかって、最近思えるようになったんだよね。」
その言葉に涼子は隆文にグッと引き寄せられた。
「そうですね…。そうかも知れませんね♪」
はにかみながら上目気味に隆文を見て笑みを浮かべた涼子。もう落ちかかっているのが分かる。
(愛美ちゃん、ありがとー!!)
それもまた愛美の助言であった。
(確かに若い子は俺はらよりも経験豊富なのかも知れないな…)
隆文は愛美や穂花に感心してしまった。