第5章 両想い-2
「は、挟むって…何を??」
みんなニヤニヤしていた。
「何をって…ねぇ??」
「オチンチンですよ♪」
愛美はキッパリと言った。
「!?そ、それを挟んでどうするの…??」
全く意味が分からない。
「涼子さん、パイズリって知らないんですか??」
「な、何?パイズリって…」
愛美はいつものように楽しそうにいやらしい話をする。
「パイズリってオチンチンをオッパイに挟んでこうして気持ち良くする事ですよー♪」
パイズリの仕草を見せる愛美。他の女子はキャーキャー騒いで喜んでいた。
「な、何それ…」
涼子は顔を真っ赤にしてしまう。
「男の人はオッパイ大きい子には必ず求めて来る事ですよ。喜びますよー?してあげると♪旦那さんにした事ないんですか?」
「な、ないわよー!」
「えー?勿体ない。それだけいいオッパイしてるのにー。」
「涼子さんて、隠れ巨乳ですよねー。」
「そ、そんな事ないよー」
「どれどれ…」
愛美が涼子の胸をムギっと掴む。
「きゃっ!」
愛美はニヤニヤしながらムニュムニュッと揉む。
「こりゃたまりませんな♪」
「や、やだもう…」
女子らはキャーキャーと盛り上がる。確かに胸はなるべく目立たないようキツめのブラジャーで押さえ付けている。胸が膨らみ始めた頃から胸に注目されるのが恥ずかしくてずっとそうして来た。人生2人しか付き合った事はないが、どちらにも意外と大きいんだねと言われた。しかしパイズリを求められる事はなかった。
「この大きさでパイズリ求められた事ないんですか??」
「な、ないわよー。」
「あ、何か涼子さんてキレイ過ぎるから、そーゆー事求めずらい雰囲気あるのかもねー。」
「あー、確かに。愛美みたいのになら色々頼み易いのかも知れないけどねー。」
「ちょっとー、どーゆー意味ですかー??でも私は頼まれる前に自分からしちゃいますけどねー!アハハ!」
あっけらかんと笑う愛美に、そういう積極性は羨ましいなと思った。
話題は変わり隆文の話になる。
「で、涼子さん、岸田さんにヤラせたんですか??」
みんなまだだと知っていながら知らないふりをする。
「し、してないわよ、もぅ…」
美魔女の照れにはみんな可愛らしく感じさせられる。
「岸田さんが宣言してからもう一年ぐらい経ちますよねー?私達とはあっさりしたのにねー。」
「あ、でも涼子さんは仕事は完璧だし、私達みたいにミスして慰められるとか相談するとかないですもんねー。きっかけがないって言えばないかー。」
「それにさっきの話じゃないけど、綺麗過ぎて誘いずらい雰囲気あるのかも知れませんねー。」
「わ、私、そんな綺麗じゃないし、もうオバサンだよ??」
その言葉を全員が否定する。
「オバサンではないです。美魔女です!」
と。
「女から見ても涼子さん、超素敵ですよ?男性社員、良く言ってますよ?たまんねー、ヤリたいって。」
「な、何それ!?」
「要するにセックスしたいぐらいいい女って事ですよ。ただやっぱり汚しちゃいけない的な気持ちになるみたいですよ?高嶺の花的存在だからみんな本気で誘わないんですよ。その点堂々と宣言した岸田さんて勇気ありますねー!」
「だよねー。」
みんな相槌を打つ。
(みんな岸田さんの事が大好きなのねー。私もその中に入りたい…。)
隆文を好きな気持ちは同じだが、みんなとの違いは抱かれているかいないかで、その差は雲泥の差だ。自分も、身も心も隆文に魅せられてみたいな…、そう思った。